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2017年に初演され、大好評を博した舞台『夫婦漫才』が、待望の再演だ。妻として漫才師として明るく生きる信子に大地真央、その夫の伸郎に中村梅雀という最強コンビ。さらに川崎麻世のほか、村上ショージ、竹内都子、正司花江といった漫才界を肌で知る面々や、上杉祥三、吉沢京子ら手練のメンバー、大地と宝塚の同期で、在団中はいぶし銀の演技で魅せた未沙のえるなど、初演メンバーも再集結。そこに今回初参加の野添義弘が加わり、盤石の役者陣で挑む。
昭和初期の大阪。幼なじみとして育った信子(大地)と伸郎(梅雀)は、「のぶ」コンビとして長屋の人気者だ。戦後になり、晴れて夫婦となったふたりだったが、昼も夜も働き詰めで家事にも奮闘する信子にくらべ、伸郎は定職にも就かずフラフラ。自然と口喧嘩も多くなるが、明るい掛け合い漫才のような様子が評判を呼び、ついには芸能プロダクションがスカウトに訪れる。漫才師となった信子と伸郎は、高度成長期とテレビ黄金時代に乗って、売れっ子になっていくが……。
初演時は、「現代に近い日本人を舞台で演じるのは初めて、関西弁でセリフを言うのも、宝塚のトップお披露目公演以来」だったという大地。それだけに、初演の好評を受けての再演は「本当に嬉しくて、お客様の再演希望が後押しとなりました。再演では、よりパワーアップしたものをお見せできるよう、お稽古に励みたいと思います」と意気込む。中でも注目されるのは、やはり梅雀との漫才シーンだ。
「今回も大阪公演があるので、笑いの本場でご覧いただく緊張感はありますが、ここでの“漫才”は、信子と伸郎の会話の中から出来上がったもの。より自然な“おもろい夫婦”を目指したいですね。梅雀さんとは『夫が多すぎて』、そして『夫婦漫才』初演と、今回で3度目の共演。さらに息の合った夫婦ぶりをご覧いただけるはずです」と大地は笑う。
その言葉通り、漫才が本作の横糸だとすれば、縦糸は夫婦の愛のドラマだ。「戦前から始まり、昭和、平成の時代にかけて夫を支えて生きた信子は、とても愛情の深い人。そこに日本人の持つ強さや優しさが見えるから、お客様はご自身と重ね合わせて感動していただけるのだと思います」と大地は語る。再演を得て、東京会場となる明治座に新たなレパートリーが加わった予感だ。
「歴史がある明治座は、味わいがあって大好きな劇場です。ロビーに並んだお土産屋さんをのぞくのも楽しいですね。老若男女問わず、ご夫婦でも独身でも、お友達同士でもおひとりでも、思いきり笑って泣いて、心が温かくなる作品ですので、ぜひ劇場にお越しください!」
公演は2月8日(金)から17日(日)まで、東京・明治座にて。その後全国を周る。
取材・文:佐藤さくら
※川崎麻世の「崎」は立つ崎が正式表記
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