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18世紀ヴェネツィアに生まれた稀代のプレイボーイ、ジャコモ・カサノヴァ。彼が辿った数奇な人生をもとに描いた冒険譚が、一本物のオリジナル・ミュージカル『CASANOVA』として、花組・明日海りお主演で上演される。
詩人、作家、聖職者、詐欺師、錬金術師、そしてスパイ…と、さまざまな貌を持つカサノヴァ。数々の女性と浮名を流し、ヴェネツィアの風紀を乱した罪で「鉛屋根の監獄」に投獄されるほどの“モテ男”だ。舞台上では「どの場面でも、たくさんの女の子たちが追いかけてくるんです(笑)」と笑顔を見せる明日海。男役冥利につきる役だと語る。「花組自慢の個性あふれる娘役たちが情熱的に歌い踊って、絡み付いてくるナンバーがあるんです。男役をやってきて本当に良かったなと思います(笑)。カサノヴァは、尋問される場面ではダーティヒーローのようで、女性に囲まれているときは遊び人、バルビ神父と逃げ回っているときは兄貴分と、いろんな見え方がする人。その中で、ぽろっと彼の本音が出る場面があるので、そこでお客様の心が掴めたらいいなと思います」。
これまでにも映画などのさまざまな作品で題材にされてきたカサノヴァ。本作では『太陽王』『1789−バスティーユの恋人たち−』『アーサー王伝説』などの楽曲を手がけたドーヴ・アチアを迎え、“祝祭喜歌劇”として華やかで楽しく、ちょっぴりコミカルに描かれる。「この作品では、女性との関係が入り乱れるラブストーリーというよりも、牢獄に送られてしまっても“こんなところで人生を無駄に過ごしていられない!”と脱獄して、また懲りずに新しい恋に向かっていくような、とてもアグレッシブでどこかピュアさもある人物として描かれています。アチアさんの曲はロックでありながらちょっと懐かしくて粋で、お客様にもきっと覚えていただけるようなメロディ。特に前半はミュージカルナンバーが続くので、楽しんでいただけると思います」。
本作で退団するトップ娘役・仙名彩世が演じるのは、修道院での行儀見習いを終えたばかりのヴェネツィア総督の姪、ベアトリーチェ。カサノヴァの運命を大きく揺り動かす女性だ。「(仙名は)最近は大人っぽい、しっとりとした芯のある女性の役が多かったように思いますが、今回は思ったことをすぐに口に出したりするような、ちょっと強気な女性。カサノヴァが初めて出会うタイプで、ベアトリーチェとの恋がどう展開していくかというのも見どころです」。
作・演出を手がける生田大和の大劇場一本物デビュー作。明日海は「私たちが成功させたい」と力を込める。「組のみんなにとてもカラーの強い、個性のある役を当ててくださっています。本当に多彩なキャラクターが登場しますので、花組ファンの方にはもちろん、宝塚歌劇を楽しみに来てくださったお客様に満足していただける作品にしたいです」。
公演は2月8日(金)から3月11日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、3月29日(金)から4月28日(日)まで東京宝塚劇場にて上演。東京公演のチケットは2月24日(日)発売開始。
取材・文:黒石悦子
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