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1961年に発表された有吉佐和子の同名小説を、1973年小幡欣治の脚色・演出で初舞台化された『三婆』。老人問題にいち早く目を向け、“老い”というテーマを、ユーモアたっぷりに描いた本作は、初演以降、各時代を彩るさまざまな大女優たちの配役で度々上演。そして、2016年11月、東京・新橋演舞場で、大竹しのぶ、渡辺えり、キムラ緑子という、現代を代表する3人の女優の競演が実現。より深化した現代的なテーマ性と、齋藤雅文演出によるスピーディな展開、さらに圧倒的なパワーで会場を笑いと涙の渦に巻き込んだ名喜劇が、20周年の節目を迎える福岡・博多座にやって来る。しかも、3人共に福岡・博多座での初舞台!3人がそろって来福し、公演への意気込みを語ってくれた。
舞台は昭和30年代の終わり。金融業者・武市浩蔵の突然の死をきっかけに、ひとつ屋根の下で奇妙な同居生活をすることになってしまった浩蔵の妻・松子(大竹しのぶ)、浩蔵の妹(渡辺えり)、浩蔵の妾・駒代(キムラ緑子)の“三婆”が、浩蔵の元部下や、武市家の御用聞き、お手伝いまで巻き込みながら、熾烈なバトルを繰り広げる…という物語。
役との共通点について聞かれると「普段から役と自分を重ねて演じることはない」と前置きしながら「あえて言えば、3人のまとめ役なところ」と大竹。舞台でもプライベートでも、自由奔放な渡辺とキムラが脱線しないように、大竹がまとめているのだそう。また劇中では「顔を合わせれば喧嘩ばかり」という設定だが、実際に同居したら「3人とも芝居が大好きなので、ずっと芝居について話をしていそう」と大竹。「昔の歌を爆音で聴きながら、みんなで歌ったり踊ったりしたいね」という渡辺に「3日くらいならいいかもね」とキムラ。すると、間髪いれず「1日で十分です(笑)」と大竹が答えるなど、3人の息の合った様子がうかがえる一幕もあった。
見どころについて、まずキムラが「3年前の舞台で演じた時、私自身が、お客さまの反応を見て、『三婆』という作品の力を実感しました。これまでも多くの女優が演じ、これからもいろんな女優が演じていくであろう作品。だからこそ、見どころはずばり“今の私たち”。今の私たちだから生まれる『三婆』をぜひ見に来てください」とコメント。続いて渡辺が「この作品には、古き良き昭和の人情が描かれています。日本人の心の根底にある、優しさや思いやりを、この舞台を通して、ぜひ老若男女に伝えられれば。そして、三度の飯より芝居が好きな私たち3人が、本気で見せるケンカシーンや、仲たがいも見モノです。ご期待ください!」。最後に大竹が「とにかく笑える舞台です。ただ笑えるだけでなく、その裏には人間の老いや、人生の悲哀がしっかりと描かれています。そんな作品が持つ本質を伝えられるように誠実に演じたいですね。スタッフ、キャストが力を合わせて、心から笑って泣ける芝居を作りますので、ぜひ劇場へお越しください」と語ってくれ、それぞれが笑顔で締めくくった。
豪華女優の競演で魅せる『三婆』は5月31月(金)から6月27日(木)まで大阪松竹座、7月1日(月)から8日(月)まで博多座にて上演。
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