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ティム・バートン監督の傑作映画をミュージカル化、日本では2017年に初演された『ビッグ・フィッシュ』が今年、新バージョンで再演される。川平慈英、浦井健治、霧矢大夢、夢咲ねねら主要メンバーが全員続投するという奇跡の再演となる本作の合同取材会が6月28日に開催された。
子どもの頃魔女に出会ったこと、巨人と友だちになったこと、サーカスで最愛の女性と出会ったこと……現実にはありえないような体験談を語る父親エドワードと、その奇想天外な話を聞いて育った息子ウィル。大人になるにつれ息子は父の話が作り話にしか思えなくなり、さらにある出来事をきっかけに親子の間には大きな溝が出来てしまうのだが――。エドワードの語る夢のような物語がファンタジックに描かれると同時に、親子の葛藤や愛情という、誰にとっても身近な感情を丁寧に描いた作品。初演時は、心温まるストーリー展開とともに、サービス精神旺盛でちょっとお調子者なところもあるエドワードを演じた川平のあまりのハマリっぷりも話題になった。
共演者からも口々に「ぴったりすぎてエドワードは慈英さん以外考えられない。演技、してました(笑)?」(霧矢)、「今日も『健治、おまえ身長伸びたか!』って。本当の父親みたいに言われた」(浦井)、「エドワードさんなのか慈英さんなのかわからないくらい自然。でもちょっとナイーブなところもあって、皆さんが愛さずにいられない方」(夢咲)と評された川平だが、本人は「確かにウチナンチューの血で、小さい話をでっかくするのは、エドワードに似てるかな。でも自分としてはエドワードと全然違うと思っているんですが……」。とはいえ作品には思い入れ十分のようで「初演は僕にとって勲章になった。しかもメインメンバーが変わらず集まったということは本当に嬉しい。またこの作品を上演できる喜びにいま満ち溢れています」と語る。
再演では、前回の日生劇場からひとまわり小さいシアタークリエに劇場を移し、サブタイトルに『12 chairs version』と冠する。これについて演出の白井晃は「初演はアンサンブル含めて22人のメンバーだったのですが、今度は主要メンバーだけに絞った12人のバージョン。ただ、シンプルな空間にしようとは思っていません。日生劇場で我々が一緒に作った空間を愛していましたので、あの空間をできるだけ凝縮した形で再現したい」。さらに「実は前回の千秋楽を迎えたときに、製作元である東宝さんが『この作品は東宝として再演をしなければならない作品だと思う』と仰ってくれて、その道を模索していただいた結果が今回の12人バージョン。キャスト、スタッフともこの再演をなんとか実現したいし、実現しなければいけないと思えた作品だった。だからこそ主要メンバーがひとりも変わらず集まってくれたんだと思う」と並々ならぬ“作品愛”を語り、キャストもその言葉を噛み締めるように聞いていた。
公演は11月1日(金)から28日(木)まで、東京・シアタークリエにて。チケットは8月17日(土)に一般発売開始。その後愛知、兵庫公演もあり。
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