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澤村國矢、中村獅童&初音ミクの“超歌舞伎”で大役!
2019年07月30日 17時00分 [歌舞伎・古典芸能]

毎年GWの2日間、幕張メッセで開催される大規模イベント「ニコニコ超会議」。そのイベントホールを会場に、約5千人の観客を前に上演されてきた、中村獅童とバーチャルシンガー初音ミクの主演舞台「超歌舞伎」。NTTの最新映像技術を駆使し、巨大画面に映し出された映像上の俳優と生身の歌舞伎俳優が共演する、新時代の歌舞伎エンターテインメントだ。2016年の初演から今年で4回目を迎えた注目作が、遂に南座に初お目見えする。

「南座新開場記念 八月南座超歌舞伎」チケット情報

演目は、獅童の宙乗りや新作を含む南座仕様の豪華3本立て。まずは、観客参加型の解説『超歌舞伎のみかた』に始まり、出雲のお国(初音ミク)とその恋人・名古屋山三(中村獅童)らが次々に踊る新作舞踊『お国山三 當世流歌舞伎踊』、美玖姫(初音ミク)と白狐が転生した佐藤四郎兵衛忠信(中村獅童)がご神木の千本桜を守るため、邪悪な青龍(澤村國矢)と戦う軍物語『今昔饗宴千本桜』へと続く。千本桜の大詰ではバーチャルシンガーの初音ミクが本領発揮、獅童らと観客を煽るなどライブさながらの演出で盛り上げる。

「通常、専門の方がやる大向う(掛け声)も自由に参加していただけますし、大詰では立ち上がって声援を送ったり、サイリウムを振りながら楽しめます」。そう話すのは、初演から獅童の敵役を勤め、本作では全演目に出演する澤村國矢。全47公演中、8回ある『今昔饗宴千本桜』のみのコンパクトな公演「リミテッドバージョン」では、中村獅童に替わり主演の大役も勤める。「こういう機会をもらうこと自体すごいことですが、それを成功させなければ、僕たちワキをやってきた人間にとって、これが希望となるのか、ならないのかが変わる。節目の8月だと思い、一か月間大切に挑んでいきたい」と決意を語る。

幕張での初演では、初音ミクが登場した際に沸き起こる歓声に圧倒された。「ただ、そこから歌舞伎の立廻りの迫力や臨場感を目の当たりにしたことで、お客様の情熱が、ミクさんもすごいけど電話屋(NTTの屋号)さんの技術もすごいし、歌舞伎もすごい!と分散していった。それは生の舞台である歌舞伎が持つ力だと思うんですね。だから毎年楽しみにしていてくださり、ここまで続けてこられた。演じていて自信になりました」。

そんな幕張のファンには歌舞伎の劇場を、歌舞伎ファンには初音ミクの世界をそれぞれ体験してほしいという。「すっぽんや花道など、歌舞伎の劇場ならではの機構をフル活用した演出になると思います。初役の忠信では、狐のぶっ返りで引っ込む狐六法を勉強させていただきます。いつか演じてみたかった役が超歌舞伎で叶いました。大立廻りでは自分の持てる最大限を使って大暴れするので、ぜひ注目していただきたいですね」。公演は8月2日(金)から26日(月)まで、京都・南座にて上演。チケット発売中。

取材・文・撮影:石橋法子

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