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秋以降には『ウエスト・サイド・ストーリー』上演が待ち望まれるバーンスタイン作品。その生誕100年の節目に、彼が26歳の時に発表したミュージカル『オン・ザ・タウン』の豪華舞台が実現した。すでに兵庫公演を終え、25日から28日(日)まで、上野の東京文化会館大ホールにて上演されている。
1940年代、早朝のニューヨーク。軍船から降り立った3人の水兵は、24時間の休暇を楽しむために街へ繰り出す。初めての大都会に期待を膨らませている彼らだが、うちひとりのゲイビーがポスターの女の子にひと目惚れをしてしまったものだから、手分けしてその子を探すことに……。バラバラに行動する3人はそれぞれニューヨークをさまよい、恋をし、翌朝明け方までの時間を目いっぱい楽しむ愉快な冒険物語。はたしてゲイビーは愛しの彼女に会えるのか!?
60人以上のフルオーケストラが生演奏する迫力の音楽に彩られ、明るく、鮮やかなニューヨークの一日が繰り広げられる。男3人は、限られた休暇を楽しもうと陽気でのん気だ。テンポ良くすすむ物語だが、軽くなりすぎず、深くしっかりと届くのは、オーディションで選ばれた俳優たちや丁寧なスタッフワークだろう。
出演者はロンドンで開催された大規模オーディションにエントリーした1000名以上から選ばれた。英国ロイヤルオペラなどで活躍するゲイビー役のチャールズ・ライスを筆頭に、オペラ俳優やダンサーたちが勢揃い。ストーリーはシンプルだが、だからこそたっぷりと音楽とダンスを堪能できる。実力者の彼らがしっかりと聞かせるオペラらしい音楽や、軽快なジャズなど、さまざまな音楽が溢れていた。
舞台美術は1940年代のニューヨークの絵はがきがモチーフだ。お洒落でレトロな雰囲気のなか、3人の男と3人の女の恋模様が展開される。歌も芝居も始終コミカル。一方ダンスシーンでは、バレエのような抽象的な振りや、踊りそのものをじっくりと見せる演出などもある。ミュージカルでありながら、オペラ、バレエ、芝居、音楽演奏などさまざまな要素が融合したダイナミックな“新次元シンフォニック・ミュージカル”。
企画・制作した兵庫県立芸術文化センターの佐渡裕芸術監督は「これまでとは一味違った“総合芸術”の楽しみになることは間違いありません!」と情熱を込める。その言葉に違わぬよう、さまざまな要素が融合したステージだ。ジャンルを越えて楽しめる、ニューヨークの一夜の夢が繰り広げられている。
取材・文・撮影:河野桃子
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