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時速246億の新作、これぞ声優ドキュメンタリー
2019年08月26日 18時30分 [演劇]
時速246憶「お静かにどうぞ」

川本成が主宰する劇団・時速246億の最新作「お静かにどうぞ」が8月22日にシアターサンモールにて開幕。本番に先がけて同日昼に公開ゲネプロが行われた。

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本作は、声優のアフレコ現場を題材にしたバックステージコメディ。出演は、声優歴30年を超える小野坂昌也や、アニメ『NARUTO-ナルト-』のうずまきナルト役でも知られる竹内順子、洋画・海外ドラマの吹き替えを手掛ける東地宏樹や高橋広樹、声優・俳優と多彩に活動する豊永利行・高橋良輔など、声優として経験豊富な豪華キャストが勢揃い。さらに、元モーニング娘。の新垣里沙や、2.5次元舞台で活躍する若手俳優の吉澤翼、ブルドッキングヘッドロックの小笠原健吉・山田桃子、そして、川本らが出演。作・演出は、自身も声優として活動してきた経験のあるブルドッキングヘッドロックの喜安浩平が務めた。

物語は、あるアニメ作品を作り上げるために声優たちが集まったアフレコブースを中心に展開する。それぞれの役柄は、本人の性格や声優としてのキャリアをそのまま反映させたような、まさにハマり役ばかり。大阪弁で先輩風を吹かすムードメーカーの小野坂や、小野坂に頭の上がらない豊永や高橋(良)たち、人気声優ゆえの高橋(広)の疲れ切った演技など、普段の彼らの姿がそこにあるようだ。

個性の強い彼らによって繰り出されるテンポのいい掛け合いは、もはや自然すぎてアドリブにも見えてしまう。例えば取り留めもなく言い合いするシーンなどは、本当にふざけ合っているように見えて、その楽しい雰囲気だけで笑わされてしまう。現場をよく知るベテランたちのよもやま話などアフレコ現場ならではの“あるある”も次々と飛び出し、爆笑の連続だ。

そんな笑いの中にあって圧巻なのは、台本を片手にマイクの前で入れ替わり立ち替わり台詞を言うアフレコシーン。キャラクターに命を吹き込むように声色を駆使した台詞回しはさすがの大迫力。本物のアフレコを見ているようで、現場の緊張感も伝えてくれる。

制作陣からのムリな注文や、各々の仕事やキャラクターへのこだわりからくる軋轢、新人が抱える悩みなど、アフレコの合間に起こるいろんなハプニングを経て、作品が完成していく。コメディとして大笑いしながら、声優たちのドキュメンタリーとしても楽しめる作品だ。

時速246億「お静かにどうぞ」は9月1日(日)までシアターサンモールにて上演。当日券の整理券は、開演1時間前から30分前までに劇場入口にて配布される。

取材・文:門 宏

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