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女優の山野海を中心に設立された劇団「ふくふくや」の新作は、“おばさん”ふたりを中心に巡る、おかしくも切ない人間ドラマ。そこで山野と客演の熊谷真実に、作品にかける想いを聞いた。
ふくふくやに熊谷が参加するのは今回が初だが、「私たち両思いなんです」と声を合わせるほど、ふたりの息はすでにぴったり。山野が「上手ささえも隠す上手さがある、本当に上手い女優さん」と熊谷を絶賛すれば、熊谷は役者としてはもちろん、“竹田新”名義で書き下ろす山野の作家としての才能にも惚れ込み、「もうどのように調理していただいても構いません!」と言い切るほど、全幅の信頼を寄せる。
ふくふくやの“おばさん3部作”の、第2作に当たる本作。山野と熊谷が演じるのは、幼いころからの親友であり、今では同じ熟女バーで働く春子と日向子。山野は「熊谷さんが出てくださることが決まり、年齢も近いですし、熟女バーのおばさんふたりが、『肋間神経痛が痛い』だのぶつぶつ言いながら(笑)、控室にいるのは面白いなと思って」と、創作の出発点を明かす。するとすかさず熊谷が、「でもそこからここまで書けますか!?」とラストへの展開について触れ、「ただの愚痴なら私だっていくらでも書けますよ。でもそれだとトークショーになっちゃう」と笑いつつ、改めて竹田こと山野の筆力の高さに驚きを見せる。
物語は熟女バーから始まり、彼女たちの中学生時代へと遡っていく。15歳の春子も日向子もそのままふたりが演じるのだが、役に対してどうアプローチしているのか熊谷に聞くと、「いや、私何にも考えていない!(笑)」とひと言。すると山野が「天才はこういうこと言うんですよ」とニヤリ。「いや、もともと私が“こどものおばさん”なので(笑)。ただ実は15歳も50歳も同じ。ただ経験値が増えただけなんですよね」と熊谷が言うと、山野も「本当にそう。まぁおばさんになるとちょっと“雑さ”が出てきますけどね」と、自らを振り返るように笑う。
すでに稽古から10日ほど。ふたりのシーンを重ねる中で、お互いがお互いを「漫才の相方みたい」と思うようになったそう。「私たち本当に漫才出来るかもね」と熊谷が言うと、「しかも熟練の漫才師ね(笑)」と山野。さらに「これからもふたりの芝居づくりは続けていきたい」と語り、山野は本作を「そのはじめの一歩」と位置づける。ふくふくやと熊谷の幸福な出会い。その“はじめの一歩”を、ぜひ劇場で目撃して欲しい。
取材・文:野上瑠美子
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