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日本初演50周年となるミュージカル『ラ・マンチャの男』の東京公演が10月4日、東京・帝国劇場で開幕した。初演からセルバンテス / ドン・キホーテ役として主演し続ける二代目松本白鸚は、本作品を自身のライフワークと位置づけている。初日前に取材に応じた白鸚は「僕が1番大事に思うのは今ですから。今の『ラ・マンチャの男』が1番愛おしいです」と語った。
スペインの小説『ドン・キホーテ』を原作とした『ラ・マンチャの男』がブロードウェイで初演されたのは1965年。日本初演は1969年4月から5月で、白鸚(当時は市川染五郎)は26歳という若さだった。70年には、日本人として初めてブロードウェイから招待を受け、名門マーチンベック劇場(現・アル・ハーシュフェルド劇場)にて10週間の主演を果たした。4年ぶりとなる2019年のツアーでは、すでに大阪、宮城、愛知での公演を終えた、帝国劇場で上演される10月19日(土)17時の部で、通算上演回数1300回を突破する予定となっている。
舞台は、16世紀末のスペイン・セビリアの牢獄。教会を侮辱した罪で投獄されたセルバンテスは、牢名主に即興劇で申し開きをしようと思い立ち、他の囚人たちを巻き込んで『ドン・キホーテ』の劇を演じ始める…。原作者セルバンテス、彼の芝居の登場人物であるアロンソ・キハーナ、そして彼の狂気が生み出したドン・キホーテという3人の男の物語が重層的に展開。現実と狂気を行き来しながら、「あるがままの自分に折り合いをつけるのではなく、あるべき姿のために闘う」という生き様を貫く姿を描いている。
東京公演初日のカーテンコール。観客の鳴り止まぬ拍手に応えようと、白鸚は胸に手を置いて、何度もお辞儀をしたり、観客に向かって手を振ったりしていた。「夢というのは、ただ夢みるだけのものでも、語るものでもなくて、夢を叶えようとする人の心意気だと思う」。そう語る白鸚自身が、きっと誰よりも「見果てぬ夢」を追い求めてきたし、今も追い求めている。その感動的な生き様をぜひ劇場で目撃してほしい。
上演時間は約2時間5分(予定)。共演は、瀬奈じゅん、駒田一、松原凜子、宮川浩、上條恒彦ら。東京公演は10月27日(日)まで。チケット発売中。なお、チケットぴあでは東京公演のOVER50向けの企画チケットも発売している。
取材・文:五月女菜穂
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