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京都コンサートホール 大ホールで10月20日(日)に開かれる文化の祭典『時の響2019』の公演に向け、京都市交響楽団常任指揮者の広上淳一、女優の栗山千明、作曲家の酒井健治が京都市内で開かれた会見に登壇し、抱負を語った。
『時の響』は、同ホールのロビーで世界文化遺産のアーカイブの展示やワークショップが行われるほか、1階のエントランスでは飲食物も販売。ホール全体がパビリオンに変わる。舞台では第1部で日本とオーストリアの国交150周年を記念して、ロックバンド・くるりの岸田繁が選曲したウィーンにちなんだ楽曲や、岸田によるくるりのヒット曲などがオーケストラとともに演奏される。指揮・ナビゲーターを務める広上は「ホール一帯を散策しながらいろんな芸術や演者の気持ちの響きを味わっていただきたい。岸田さんは才能豊かな温かい音楽を作る方。彼が心の故郷と思っているのがウィーンで、現地でレコーディングしたときに思い付いた楽曲がくるりのヒット曲になっている。その作品を京都市交響楽団と演奏できるのは楽しみです」と話す。
第2部では京都で生まれた歴史的エッセイ『徒然草』の243段の中から、哲学的要素が語られた部分を切り取り、栗山が着物姿で朗読するほか、岸田作・編曲の『京のわらべうた変奏曲』を栗山の朗読と交えて上演する。広上は「個人的に栗山さんの大ファンで、今日お会いできて思い残すことはありません(笑)。彼女の朗読とオーケストラの音がどう溶け合い、どう味わいが出るのか」と期待を寄せる。第1部でナビゲーターも務める栗山は「オーケストラとともに朗読するのと、生でライブのナビゲーターは初めてなので、正直不安ですが、来場者の方と一緒に楽しめるように挑みたいです」と応えた。また、この日世界初演されるヴィオラ協奏曲『ヒストリア』を作曲した酒井は「ヴィオラは、演劇でいうと渋いおじさん俳優が演じるオケの引き立て役。そんなヴィオラが一番前に立って演奏し、この楽器のいろんな表情が見られる作品です」と自信を見せた。
会見後、ぴあの単独取材に応じた栗山は、「学生のときは『徒然草』は古文というだけで、気後れするような感覚だったんですが、今、改めて読み直すと、人の感情や思うことは時を超えても変わらないんだなと感じました。すごく共感するところがあり、時代を問わず人の心に響く作品です。難しいとは思いますが、オーケストラの音に助けていただいて、美しい日本語を気持ちよく朗読できればと思います。オーケストラはハードルが高いというイメージがあるかもしれませんが、ライブという感覚で音を楽しむことに変わりはない。気軽に来ていただきたいですね」と話した。
公演は10月20日(日)、京都コンサートホール 大ホールにて。チケット発売中。
取材・文:米満ゆうこ
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