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10〜11月にかけて全国7都市でツアーを行なっている“崩壊シリーズ”第3弾『派』。東京公演を終えたばかりの作・演出オークラと、1作目からの出演者・大水洋介(ラバーガール)が来福。作品の魅力を語ってくれた。
架空の劇団「荻窪遊々演劇社」の劇団員が、公演の度に起こすミス。そのミスの連続で物語だけでなく、舞台セットまでもが激しく崩壊していくという奇想天外な演出スタイルで話題を呼んでいる崩壊シリーズ。作・演出を手掛けるのは、構成作家のオークラ。バナナマンや東京03などの傑作コントを手がけ、日テレの「遊戯(ゲーム)みたいにいかない」、テレ東の「ウレロ☆シリーズ」などコメディドラマの演出も手がけるシチュエーション・コメディー界の奇才だ。
最新作『派』は、劇団に新メンバーが入ることで巻き起こる人間ドラマ。「タイトルは派閥などの“派”。新メンバー3人の加入で、それまでの劇団の芝居観や結束力が揺らぎ、潜在していた劇団員の悩みや、互いへの思いが浮き彫りになり、芝居と共に人間関係まで崩壊していきます。過去2作で劇団員のキャラが育ってきたからこそ描けるテーマで、ダイレクトに思いをぶつけ合うシーンが多いので、東京ですでに見た観客からは、『内容が大人っぽくなった』とか『熱かった』という感想が多いですね」とオークラ。
一見、失敗ばかりしている“ポンコツ”な劇団員たちだが、実は“ひとつのミスも許されない”高度な演技に挑戦しているのが、大水洋介らをはじめとする役者たちだ。「僕が演じるのは古株の劇団員で、新しい脚本家が気に入らないけど、面と向かっては何も言えず、座長とコソコソ文句を言っているような人物です。演じる上で一番難しいのは、同じところで、同じ間違いを、毎回新鮮に見えるようにしなければならないところ。すべてのミスが緻密に計算されているので、みんな一生懸命“間違いなく間違えるよう”に練習をしています。 “崩壊シリーズ”は全員が協力し合って、1つの笑いを作るタイプのコメディなので、当然、結束力も高まり、まるで楽屋でも本当の劇団員のようです」。
特に注目したいのは、座長役の山崎樹範(やまざきしげのり)のパワフルな熱演。あまりのセリフの多いハードな舞台のため、今回はわざわざ身体作り込んで参戦しているそう。とにかく「笑えること」にこだわり、役者がより自然に演技できるように日々脚本を手直ししているという進化型の“どコメディ”。その最終形を観ることができる。福岡公演は11月23日(土)、24日(日)にイムズホールにて。その他、石川、愛知でも上演。チケットは発売中。
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