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韓国、台湾でも記録的ヒットを飛ばした日本発のミュージカル『デスノート』がオール新キャストで上演される。主演の夜神月(やがみライト)役は村井良大と甲斐翔真のダブルキャスト。丁寧な語り口と柔らかな物腰に、隠しきれない人の良さがにじむ村井に、狂気をはらむライト役への意気込みを訊いた。
デスノートに名前を書かれた人間は40秒で死ぬ――。成績優秀な高校生・夜神月は死神リュークが落としたデスノートを拾ったことから、「自分こそが神に選ばれ、犯罪者のいない世界を創る“新世界の神(=キラ)”だ」と確信、犯罪者の粛清を始める。ネット上でキラへの称賛が高まる中、警察は謎の名探偵L(エル)と秘密裏に捜査を開始する。その頃、アイドルの弥海砂(ミサミサ)もまた、新たなデスノートを手にしていた…。
「最近、自分が思う自分と周りが思う自分が変わってきている」と村井。「ライト役ももっとカッコいい人がやる印象があったので、正直驚きました。自分の市場価値はどうなっているんだ、と(笑)。ざわざわした輪郭がどんな風にまとまるんだろうかとか。役者としての幅を広げる意味では、予想外の役をいただけるのはうれしいこと。できると選んでいただけたことも勲章ですし、その気持ちにお応えしたい」。
ミュージカル版のライトは「普通の青年であること」がポイントと見る。「演出の栗山民也さんはお芝居というものを非常に生っぽく作られる方という印象で、ライトにも身近な雰囲気があるからこそ、最後はちょっと痛い感情になるというか。栗山さんの『いやいや、普通の人間ですから』というのが強く現れている気がして面白いなと。正直ライトに共感する部分はありますね。彼の言動は間違っていない。ただ、正解でもないのが良くないんだけど。強大な力を持った人間がどう変わっていくのか、丁寧に演じたいと思います」。
作品を彩る楽曲は、「その曲を聞けば役柄の人間性が分かる」ほどドラマチックで雄弁だ。「ライトで言えば彼の中の弱さや神のような傲慢さ、うごめく感情が楽曲に現れている。同時にエルの世界観もミサミサの気持ちも分かるから、いろんな人に共感できる。その“答えのなさ”がこの物語の魅力だと思います」。原作ファンには、舞台ならではの魅力もアピールする。「ミュージカルってどこか現実を飛び越えるようなぶっ飛んだ瞬間がある。漫画や映画もいいけど『これもありだな!』と思ってもらえるものを作りたい。舞台の楽しさに気付かせてくれる作品だと思います」。
公演は1月20日(月)から2月9日(日)まで東京・東京建物Brillia HALL、2月29日(土)から3月1日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。他、静岡、福岡公演あり。
取材・文:石橋法子
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