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花總まりが、喜劇作家ニール・サイモンの代表作『おかしな二人』で本格的なコメディに挑戦する。開幕を約2週間後に控えた稽古場で語る心境に、耳を傾けた。
1965年に米ブロードウェイで初演され、映画やTVドラマに派生した本作。いずれもニューヨークにあるアパートの一室を舞台に、性格が正反対の男性2人が巻き起こす騒動が描かれる作品だが、85年には登場人物の性別を入れ替えた別バージョンが上演された。今回はこの85年版を下敷きに“無精者”のオリーブを大地真央、“病的なまでに几帳面”なフローレンスを花總が演じ、その脇をシルビア・グラブ、宮地雅子、平田敦子、山崎静代(南海キャンディーズ)、渡辺大輔、芋洗坂係長といったコメディの腕利きが固める。
これまでミュージカルの出演が続いた花總は、まず「膨大なセリフ量を覚えて発することに必死で、内容のおもしろさを的確に伝えるのが難しいですね」と会話劇の洗礼を受けている様子を明かした。同時に“コメディエンヌ”と称される大地と向き合う中で「自然なお芝居の中に絶妙なテンポ感や間があって……さすがだな、と日々勉強させてもらっています」と喜劇の“先輩”から学ぶ姿勢を欠かさない。
演出を手がける原田諒とは、花總が宝塚歌劇宙組のトップ娘役に就いていた2003年から面識があり「演出助手として入団した原田さんが今ではテキパキ指示を飛ばしており、時の流れを感じました」と笑顔を見せた。原田の演出は「神経質なフローレンスなら、きっとここを片付けたくなるはず」といったように、芝居の動きを整えて作品の精度を上げていくもの。「役を昇華して自分の中へ浸透させる参考になります」と信頼を寄せる。
キャストやスタッフから薫陶を受けるだけでなく、映画(68年)も自らの血肉に変える花總。「何も取り繕わない、あるがままの2人の小競り合いがこれほどおかしいなんて」と感想を述べると、「このおもしろさを伝えるには大地さんとのキャッチボールが重要」「力を抜いて楽しみます」と“爆笑コンビ”を誓った。楽しく華やかな歌唱ナンバーが続くスペシャルカーテンコールと併せて、花總が見せる新たな一面に注目してほしい。
公演は10月8日(木)〜25日(日)に、東京・シアタークリエにて。その後、11月5日(木)〜8日(日)に大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティと巡演する。ぴあでは、座席指定できるチケットを販売中。
取材・文:岡山朋代
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