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歴史短編小説を原作にした朗読劇『さらば黒き武士(もののふ)』が10月24日(土)に大阪・メイシアター中ホール、10月31日(土)に東京・浅草公会堂にて上演される。出演者の北村有起哉に話を聞いた。
本作は、織田信長の生涯とその美学を、森蘭丸のモノローグ形式で綴る岡本さとるの小説を、岡本自身による上演台本、藤間勘十郎(宗家藤間流 八世宗家)の演出によって舞台に立ち上げる朗読劇。森蘭丸を山本一慶が、織田信長と実在したアフリカ人・弥助の二役を北村が、くノ一・村雨と読み人を如月蓮が演じる。
日本舞踊 宗家藤間流・藤間勘十郎の演出で、生演奏の鳴物が入るなど、果たしてどのような朗読劇になるのか楽しみな本作。北村は「宗家(藤間)の座組なので、まともにやるはずはないと思っています(笑)。初めてご一緒した『怪談 牡丹燈籠』('19)同様、今回も藤間ワールドになりそうです。でも、宗家がノリノリになってくれたほうが楽しいんですよ。今はまだ『一体どこへ行くの?』という段階ですが(笑)、そこが楽しみのひとつです」と明かし、朗読劇のイメージを超えるものになりそうだ。山本、如月とは「初共演です。でも敢えてバラバラの3人を集めたんだろうなと思いますし、だからこそどんな作品になるのか想像がつかない。僕は仕事でのこんな一期一会をいつも楽しみにしているんです。この出会いの先に何かがあればいいなとも思いますしね」と楽しんでいる様子だ。
北村は信長と弥助の二役を演じるが「(それぞれのキャラが強いぶん)演じ分けをしすぎるとコントみたいになっちゃう可能性もある。“朗読劇”であることに集中して、言葉を大切に読んでいきたいです」と話し、「でも、山本くんも如月さんも“声をつくる”というような発声の仕方をされるので、ちょっと僕もやってみようかなと思っています」と、これまでにない北村の姿も観られそうだ。
ドラマに映画に舞台にと演じ続けている北村。「僕はいろんなことをやってみたいんです。ミュージカルもやりたいし、活劇とかもやりたいし、歌舞伎もやってみたい。たまにマネージャーに『これ以上はスケジュールが無理ですよ』と言われくらい(笑)、もっとやりたい。きっと楽しいだろうなって思うから」と語るほどの芝居好きだが、その中でも舞台の魅力は「やっぱり“ライブ”ですよね。お客様と、劇場という空間で同じ時間を過ごすことは実はすごく特別なことだったんだというのは、このコロナ禍で改めて感じました。今舞台ができることを、本当に嬉しいと思っています」
(取材・文 中川實穗)
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