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花村想太、平間壮一、堂珍嘉邦、甲斐翔真らが出演するミュージカル『RENT』が11月2日に東京・シアタークリエで開幕した。初日を控えた1日には公開舞台稽古が報道陣に披露されるとともに、出演陣が囲み取材で意気込みや心境を語った。
『RENT』は20世紀末のNYを舞台に、貧困やHIV感染症、薬物依存症、同性愛といった様々な社会的困難に直面しつつ日々を懸命に生きる若者たちの姿を描く青春群像劇。1996年にオフ・ブロードウェイで初演されて以降、ブロードウェイでは12年4か月のロングランを記録したほか、15か国で上演されている世界的ヒットミュージカルだ。シアタークリエでは2008年から上演を重ね6度目の上演となるが、今年は海外在住の演出家はコロナ禍で来日が叶わずリモートでの演出という、例年にない状況を乗り越えての上演。しかし出演者たちは熱い情熱とひたむきさで、この作品特有の優しく愛情あふれる世界を描き出した。
Wキャストの役どころが多い本作、1日の公開稽古には平間、甲斐のほか遥海、加藤潤一、RIOSKE、鈴木瑛美子、宮本美季(シングルキャスト)らが出演。2015・17年公演にも別の役柄で出演していた平間は、今回は語り部であるマーク役に初挑戦。今までのマーク役ともひと味違う、傷つきやすそうな繊細さと優しさのある、平間らしいマークを作り上げている。ロックシンガー・ロジャー役として初出演する甲斐もパッションある歌声で体当たりの演技を見せた。ほか、コケティッシュさと迫力ある歌声で聴かせたミミ役の遥海、抜群の歌唱力と天真爛漫なパフォーマンスを見せたモーリーン役の鈴木瑛美子らが印象的。若い才能がぶつかりあい輝く新生『RENT』の誕生となった。
HIV感染症が死に直結していた90年代と今では社会情勢は大きく様変わりしているものの、特に今年は新型コロナウイルスが蔓延して、いつも以上に病や死、そして“不安”が身近にある人も多いだろう。そんな中での今年の『RENT』。会見で平間は「ソーシャルディスタンスなどで人との距離感があり、心が離れ通じ合えないこともある中ですが、信じる仲間、信じられるものがあれば強く生きていける。そういうものを『RENT』を通して伝えていきたい」と話し、甲斐は「今年の『RENT』はこれから先、二度とやることはできない。2020年版『RENT』は面白いと胸を張って言えます」と語った。おそらく観客にとっても今年の『RENT』は特別な『RENT』になるに違いない。
公演は11月2日(月)から12月6日(日)まで同劇場にて。チケットは発売中。
取材・文:平野祥恵
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