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「描くのは暮らし」マキノノゾミ22年ぶり演出『東京原子核クラブ』
2020年11月26日 15時00分 [演劇]
撮影:源賀津己

マキノノゾミの作・演出で’97年に初演された『東京原子核クラブ』が2021年1月に上演される。本作の演出は22年ぶりとなるマキノ、主演の水田航生、霧矢大夢に話を聞いた。

本作は、実在の人物もモデルにしながら、昭和初期という時代の中で闊達に生きる若者たちを描いた群像劇。初演時には読売文学賞戯曲・シナリオ賞を受賞した作品でもあるがマキノは「初演の時は昔の話を書いたつもりだったのに、今読むとなんとなく近未来な感じがします。もしかしたら今はもう戦後ではなく戦前なのではないかとか、似たようなことが起こりつつあるなとか感じて。だからこの戯曲はむしろ今のほうが合っている。それはいいことか悪いことかで言えば、悪いことですけどね」と語る。

描かれるのは、若き原子物理学者・友田晋一郎をはじめとする風変りな住人が集う下宿屋「平和館」での、昭和7〜21年の出来事。水田が「昭和のお話ではありますが、誰もが、日常の何もない“あの時”“あの瞬間”が実は美しいものだったんだってことを思える作品だと感じました」と語る作品だ。しかし、水田演じる友田のモデルは物理学者・朝永振一郎博士。まさにその時代、昭和20年に日本に投下された原子爆弾は物理学によって生み出されたもの……という現実もしっかりとある。そこについてマキノは「でも、平和館に住んでいたのがたまたまそういう人だっただけで、そのことを描きたいわけじゃないんです。描くのは、ここで生きている人たちの暮らしです。それを奪ったなにか大きなもの、そして止められなかった大きな悲劇はあるけど、この人たちは日常を誠実に生きただけ。そういうものを描きたかった」と語る。

一方、霧矢が演じる「平和館」の住人・富佐子は謎に満ちた女性。霧矢は「すごく個性的で独特。初演はキムラ緑子さんが演じられた役と伺い、台本を読みながら、きっと出てくる度に強い存在感を放たれていたんだろうなと想像しました。レビューガールということで、私も歴史あるレヴュー劇団出身ですから、自分の経験を活かせるかなと思いつつ、でももっと胡散臭い雰囲気を出していくような役だと思うので、マキノさんとも相談して富佐子像をつくっていきたいです」と意気込む。マキノは「僕も富佐子は何を考えているかわからない(笑)」と笑いつつ「でもこういう人に救われる。僕用語で言えばこの作品の“エンジェル”なんです」と霧矢に期待を寄せる。

水田が「マキノさんの現場はずっとポジティブな気持ちでいられる」と稽古に入るのを楽しみにする本作は、2021年1月10日(日)から17日(日)まで東京・本多劇場にて上演。チケットぴあでは11月29日(日)まで抽選先行受付中。

文:中川實穂

チケットぴあ

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