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新型コロナに翻弄された2020年。その災いを祓うがごとく、“陰陽師”を題材にした今までにない舞台『INSPIRE 陰陽師』が、12月31日〜2021年1月6日、東京・日生劇場で上演される。そこで陰陽師・安倍晴明を演じる大沢たかおに話を聞いた。
本作を「今までにない」と表現したのは、実は大沢自身。その言葉に込められた思いをこう語る。「こんな時期でもありますし、単に役者さんが朗々と台詞を言うだけの舞台では、エネルギーが弱いかなと思うんです。なにかメーターを振り切るようなものでなければ、今舞台をやる意味はないというか。そこで今回取り入れようと思っているのがイリュージョン。さらに陰陽師というエネルギーを借りつつ、直接的ではないにしろ、“今の時代”みたいなものも反映させることが出来たら、今までにないエンターテインメントが作れるのではないか…、そんな気がしているんです」
安倍晴明を題材にしてはいるものの、本作の舞台は平安時代にとどまらず、現代にまで及ぶと言う。「ネタバレになってしまうのではっきりとは申し上げられないのですが…。ただ安倍晴明という人物を演じるに当たっては、皆さんが想像するものから大きく変えたい、ということは特に考えていません。ひとつアイデアとしては、ファンタジーの中になにかリアルを入れられないかな、ということ。例えばこういう時代だからこそ、陰陽師の方が実際に使われている小道具なども、僕に託してくれる可能性が高いのではないかと思っていて。それによってより強いエネルギーが生まれ、観る方のプラスになるようなことがあれば、僕としてはすべて試してみたいと思っているんです」
2020年から2021年の幕開けを飾る本作。大胆なサプライズと大沢演じる安倍晴明が、希望溢れる新年を呼び込んでくれる…かもしれない。「自分でも気づかないうちに悶々としていたり、モヤモヤしたものが体の中に溜まってしまうような1年だったと思います。でもそんな時でも楽しくするのが、僕らの仕事だと思っていて。視覚的にも、音楽的にも、最高のものを提供してくれるチームが揃いましたし、自分も自分なりに新しいことに挑戦出来たらなと。2020年、今まで経験したことのないような年の瀬と、2021年、なにかちょっと明るく光が差すような年の始まり。この舞台がなにかを祓う、わけではないかもしれないですけど、ちょっと空気を変えられるような、そんな新年を迎えられるような作品になればいいなと思います」。
公演は20年12月31日〜21年1月6日まで。チケットは発売中。また12月31日、1月3日のPIA LIVE STREAMでの動画配信も決定。配信視聴券の発売は12月18日10時より。
取材・文:野上瑠美子
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