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ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)の過去の戯曲を、新たなる演出家が異なる味わいに創り上げる人気企画「KERA CROSS」。その第3弾『カメレオンズ・リップ』を、河原雅彦が手がける。そこで河原と主演の松下洸平のふたりに話を聞いた。
17年前、気鋭の劇作家として注目を集めていたKERAが、Bunkamuraシアターコクーン初進出作として上演したのが、この『カメレオンズ・リップ』。河原は本作を選んだ理由について、「まだ若かったKERAさんの、しかもコクーン初進出だっていう筆の勢いのある作品ですよね。たぶんKERAさん自身、整合性や分かりやすさをあえて気にせず書いていた部分もあるんじゃないかなと。その煙に巻くような、わけわからなさに僕は惹かれたんだと思います」と説明する。
松下はDVDで初演を見た印象を、「作品全体からはもちろん、俳優の皆さん一人ひとりのエネルギーがバシバシ伝わってきて! すごくカッコいいなと思いました」と目を輝かせ、さらに「その『カメレオンズ・リップ』を今度僕がやる時、どれだけのエネルギーを作品に対して注ぎ込むことが出来るのか。自分自身すごく楽しみですし、それが作品の面白さに繋がればいいなと思います」と意気込む。
まるで呼吸するかのように嘘をつき続ける姉のドナと、そんな姉を心から慕う弟のルーファス。前回堤真一が演じたこのルーファス役を任された松下は、「僕が見た『カメレオンズ・リップ』は、ものすごく完成度の高い素晴らしい舞台でした。だからこそ僕は、いかにそこに縛られず、今回集まったキャストの人たちと、芝居を通して感じたことをそのまま素直に出せるのか。とにかくそれに尽きると思います」と、役へのシンプルな想いを吐露する。
ドナと、ドナにうりふたつのエレンデイラを演じる生駒里奈について、「ずっとお仕事したいと思っていて」と河原。続けて、「洸平くんがすごく弟感のある人である一方、すごくお姉さんで、しっかりしていて面白いのが生駒ちゃん。だから年齢的には逆ですけど、もうこのふたりでやっちゃえと思ったんです(笑)」と、姉弟役のキャスティング意図を明かした。
また河原は、「初演を初めてみた時、いろんな意味であまりに贅沢過ぎて、あっこのままじゃ出来ないなと思ったんです」と驚きの告白。「でも美術プランから何から、一から考えられるという意味で、逆によかったなと。今回集まってくれたメンバーは皆さんデタラメに魅力的だし、音楽を担当してくれる伊澤一葉さん(東京事変・the HIATUS)もとても作品にマッチしている才能なので、なにかと刺激の嵐ですよ」と笑うその顔には、本作にかける河原の強い決意と自信が滲み出ていた。
取材・文:野上瑠美子
スタイリスト:渡邊圭祐
ヘアメイク:五十嵐将寿
衣装:中綿シャツ\36,000、パンツ\33,000/ともにエドウィナホール
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