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2015年にスタートした『うめだ文楽』が7年目を迎える。アクセスのいいグランフロント大阪のナレッジシアターを会場に、仕事帰りでも観劇できる時間の上演、わかりやすい解説やゲストとのトークショーも交えた構成。文楽初心者にも入りやすく楽しいと人気が高まり、年1回の公演が定着した。20代から40代の若手技芸員たちを中心にした滅多にないフレッシュな舞台は、彼らの成長の場としても大切な公演だ。しかし、昨年予定されていた第6回がコロナ禍で中止となり、1年を経て開催される。演目は2017年、第3回で上演した『義経千本桜〜河連法眼館(かわつらほうげんやかた)の段〜』。狐忠信を中心に親子の情愛、狐と人間との慈愛を描く演目で、再演希望の声が最も高くシリーズ初再演、また今回は狐忠信の人形遣いをダブルキャストで上演する。第1回から全回出演の三味線・鶴澤寛太郎に話を聞いた。
うめだ文楽2021『義経千本桜 〜河連法眼館の段〜』チケット情報
「芸能の公演が少しずつ減っているなかで、『うめだ文楽』を開催していただくことに演者として感謝しかないです。僕らも最大限、感染対策に気を付けて生活して、稽古して、絶対にやり遂げるという覚悟でいます」と寛太郎。『うめだ文楽』は「演者全員が若くて、全員で背伸びしたり挑戦したりしている感じ。お客さんも若くて、僕たちと同い年ぐらいの方も来てくださっているのがうれしい」と語る。太夫と三味線の床チームを率いるなか、今回は敢えて第3回と同じメンバー編成で再演に臨む。「体に刷り込んでいかないとダメなので、経験を取ろうと。3、4年経って同じメンバーで再結集してやるわけですから、それだけの上積みが求められる。第3回をご覧いただいた方が来られた時、いくばくかの進歩と成長した姿が舞台から見てとれるようだといいなと思っています」。
また毎回人気のトークショーのゲストは、1日目が落語家・桂南光、2日目が作家・三浦しをん。「ずっと応援して、支えてくださっているようでありがたい限りです」と話す寛太郎が楽しみにしているのが、対談相手を勤める3日目、今回初参加の世界的チェリスト・宮田大だ。宮田の弾くチェロで桐竹勘十郎の人形が舞うコラボ企画に2度参加した寛太郎。「チェロは一番邦楽になじむ洋楽器だと思うし、聞きたいことがいっぱいあります。超贅沢ですよ。お客さんより僕の方が楽しみにしているくらいです(笑)」。もしかして演奏が聴けるかも?「宮田さんは、僕らが楽しまないと、というタイプなんです。僕は多分、当日楽しむ余裕はないでしょうけど、そんな広い心で取り組めたら、と思います(笑)」。
公演は3月26日(金)より28日(日)まで、グランフロント大阪 北館4階 ナレッジシアターにて。チケット発売中。
取材・文:高橋晴代
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