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ブロードウェイ・オリジナルミュージカル『BARNUM』が東京芸術劇場プレイハウスで上演中だ。ヒュー・ジャックマン主演のミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』(2017)と同じく、サーカス に命を賭けた興行師P.T.バーナム(1810-1891)の半生を描き、1980年にブロードウェイで初演された本作。日本初上演となる今回は、フィニアス・テイラー・バーナム役を加藤和樹が主演し、妻チャイリー・バーナム役を朝夏まなとが演じる。
バーナムは、美術館であり水族館であり劇場でもあったといわれる「アメリカ博物館」を30代前半で設立し、まだ娯楽が文化として認められていなかったアメリカに一石を投ずると、その後はさまざまな見世物ショーやコンサートを提げて国内外を巡演。興行師のほかに、政治家、慈善家、奴隷解放運動家などいくつもの顔があり、コネチカット州ブリッジポートの市長を務めたことも。本作では、そんなP.T.バーナムが最初の妻チャリティ(本作ではチャイリー)とともに歩んだ半生が、概ね史実に沿って描かれている。
3月13日17:00回(Wキャストは綿引さやか、内海啓貴)を見た。シルク・ドゥ・ソレイユなどで活躍したフィリップ・エマールが映像で登場したり、アンサンブルキャストを中心にさまざまなジャグリングの技を披露したり、サーカス小屋を模した舞台装置だったりと、ミュージカルでありながら、本物のサーカスを見ているようなワクワク感がある演出だった。
主演の加藤は、歌って踊って芝居をして、ほぼ出ずっぱり。タップを踏んだり、「博物館ソング」など難易度が高くも楽しい歌を聞かせてくれたり、エンターテイナーっぷりを存分に発揮。妻チャイリーを演じた朝夏との相性もよく、思考回路は真逆でも、互いを尊敬し、愛しあっている夫婦を好演した。特に、ミュージカル『ローマの休日』(2020-2021)でアン王女とジョー・ブラッドレーを演じた加藤と朝夏の間柄を見ている観客にとっては、いろいろとギャップがあって、新鮮に見えることと思う。藤岡正明の降板を受け、急遽、リングマスター、ジェームズ・A・ベイリー、「親指トム将軍」という3役を演じることになった矢田悠祐も健闘していた。
上演時間は2時間20分(途中休憩あり)。そのほかの出演者は、フランク莉奈、原嘉孝(以上Wキャスト)、中尾ミエほか。東京公演は3月23日(火)まで。兵庫公演は3月26日(金)?28日(日)、県立芸術文化センター阪急中ホール。神奈川公演は4月2日(金)、相模女子大学グリーンホール。チケット発売中。
取材・文:五月女菜穂
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