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夢の世界にお客さんも迷い込んで……山本一慶、初演出!
2021年04月23日 12時40分 [演劇]

「不思議な世界にお客さんも迷いこんでいるような魅力のあるすれ違いラブコメディです」。そう山本一慶が紹介するのは、シェイクスピア原作の舞台『夏の夜の夢』。5月19日(水)?23日(日)に東京・六行会ホールにて上演される。

本格的に演出を担う山本は『夏の夜の夢』に2回出演したことがある。俳優の時は戯曲を信じるために他の資料は読まないが、今回演出するにあたって初めて作品背景を調べてみた。「どうやら、貴族達の結婚式の余興だったんじゃないか?という説があるんです。結婚式のショーとして貴族達が楽しんで共感できる作品だったから、観る人を惹きつける魅力があるのかな。役者には楽しんでもらって、その力をお客様に届けたい」。

ビジュアル撮影を終えて山本は「とくに若い恋人達を演じる4人は初々しかった」と笑う。撮影はうまくいったようだ。「この初々しさは無くしてほしくないですね。この作品の恋愛の初々しさ、気まずさ、やりにくさを見て、当時の貴族達は『私達にもこの出会いがあったね』と思えたかもしれない。ぎこちなさが魅力になる」。妖精パックを演じる谷水力は撮影で、衣裳のCharles Cheese Cakeと山本がイメージを膨らませたグリーンの服をまとい、背中の羽根をいかしたポージングで微笑んだ。「すごく綺麗な衣装でした。動きが出しやすいキャラクターだし、少しおちゃらけたり。いたずらっ子な役はやったことないので不安な気持ちもありましたが、楽しかったです」。その様子を見て山本も「いける」と確信が増してきたそう。「(谷水)力のお芝居への姿勢はとても真面目。でもパックは常に前にいるキャラクターだから、楽しんでもらえれば。新しい力が見れるのが楽しみ」とエールを送る。

初演出の山本への期待について谷水は「一慶君はすごく自分の考えや思いがあってお芝居を作っている人。親身に教えてくれるし、芯がありながら、一緒に作ってくれるんじゃないかな。心配はないです」と信頼を寄せる。

シェイクスピアの台詞は現代語にはせず、小田島雄志氏の翻訳のまま使用する予定だ。山本は同作への出演経験を振り返り「言葉はやや古典的な言い回しですが、リズムを尊重し基本翻訳のままつかうので難しいといえば難しいけど、役者が芯を一本理解して、台詞の奥にある気持ちを大切にしてもらえれば、伝わる。笑って、楽しんでもらえる作品です」と力強く自信を見せた。

取材・文:河野桃子
ヘアメイク:齊藤沙織、平山祐子

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