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“宝塚歌劇のモーツァルト”と謳われた作曲家、寺田瀧雄が残した名曲を総勢30名近い歴代のタカラジェンヌが歌い繋ぐ「寺田瀧雄 没後20年メモリアルコンサート All His Dreams“愛”」。『ノバ・ボサ・ノバ』『星影の人』など約3000曲の中から、第1部は華やかなショー作品の楽曲を、第2部は植田紳爾、柴田侑宏作品よりドラマチックな代表曲をお届けする。
「寺田瀧雄 没後20年メモリアルコンサート All His Dreams “愛”」チケット情報
「本当に名曲ぞろい。幸せすぎて耳が大きくなっちゃうんじゃないかしら」と茶目っ気たっぷりに語る元雪組トップスター、杜けあき。「私が宝塚に入るきっかけになった初演『ベルサイユのばら』の楽曲も当時ご出演されていた先輩方の歌声でまた聴けるのは、私自身にとっても嬉しいこと」と出演の喜びを語る。「『愛あればこそ』は宝塚ファンのみならず多くの方がご存知じゃないですか。そういった曲を残してくださって、寺田先生は本当にすごいなと思います」。
杜はショー作品から『パラダイス・トロピカーナ』『スイート・タイフーン』と、主演作以外にも『僕は君』をソロで、名曲『愛!』を安奈淳、剣幸の3人で歌唱する。寺田は自らを職人と称し、天才と謳われることを嫌ったという。
「寺田先生が『朝ごはんの途中で突然浮かんできて、3分で書いた』と歌稽古の初日に持ってこられたのが、私の主演舞台『天守に花匂い立つ』の主題歌でした。それが本当に素晴らしくて、今でも歌い続けています。だからやっぱり先生は天才で、その上に努力を惜しまない職人だったと思います」。ジャンルを問わず多作だが「要所に、これは寺田先生だよねと思える心がキュンとするメロディが入っていて、素敵な男のロマンを持っていらしたと思います」。
退団から28年、当時の歌声に近づけようと稽古に励む。「男役独特の深い声は練って練って作り上げるもの。だから今大変で。厳しく鍛えられた当時の歌唱指導を少し思い出します(笑)」。同時に主題歌によって記憶に蘇る劇世界を堪能してほしいとも。「例えば『忠臣蔵』の主題歌『花に散り雪に散り』では、大階段に四十七士が居並ぶ姿や泉岳寺へ向かう全員の行進を思い浮かべてくださると思うんですね。出演者それぞれの曲でも、赤穂はじめ日本からパリ、アトランタなど歌ごとに舞台やジャンルが変わるので、ある意味歌の世界旅行ですね」。
コロナ禍に見舞われた昨年、率先してOGらとリモートで歌声を届けた。東日本大震災での経験に背中を押されたと明かす。「慰問先で『すみれの花咲く頃』を歌うことになって、そこで歌が癒しになることを実感しました。やっぱり宝塚の楽曲は、聴くとひと時夢の世界へ行けるのがいいんだと思います。今度のコンサートは特に楽曲が濃いので、コロナを吹き飛ばすようなことが劇場で起こるはずです。ぜひ楽しみにしていただけたらと思います」。
公演は、6月26日(土)・27日(日)、大阪・梅田芸術劇場メインホール、7月1日(木)・2日(金)、東京・Bunkamura オーチャードホールにて。チケットは、6月4日(金)23:59までプリセール実施中。
取材・文:石橋法子
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