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横浜を舞台に3年に一度、開催されるダンスの祭典「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA」。今年は8月28日(土)から10月17日(日)の日程で、横浜市内全域を会場に行われる。6月24日(木)、今年の同イベントのディレクターを務めるフランス在住のダンサー、振付家の小林十市、ディレクター補佐を務める山本康介がオンライン記者会見に臨んだ。
過去の開催では世界レベルの海外カンパニーやアーティストの招聘が大きな目玉となっていたが、今回はコロナ禍を受け、大きな方向転換を余儀なくされた。そんな中で、注目を集めるのが、モーリス・ベジャールをはじめとする世界的な振付家の代表作を国内で活躍する日本のダンサーが踊る「International Choreography × Japanese Dancers 〜舞踊の情熱〜」。小林ディレクターは「海外からアーティストを呼べないということで、今回はオールジャパニーズでやってみようという結論に行き着きました。世界の振付家の素晴らしい作品の数々を日本人ダンサーで上演できるのではないか」と日本のダンサーの現在地を知る公演になるとの考えを示した。
ディレクターである小林自身がパフォーマンスを披露するというのも今年の「Dance Dance Dance」の大きな見どころ。クロージングの「Noism Company Niigata ×小林十市」(演出振付:金森穣)に加え、「エリア50代」と銘打った企画では、小林と近藤良平というスタイルの全く異なる50代の2人に、安藤洋子、伊藤キム、平山素子、SAMという豪華ゲストも参戦。小林はアブー・ラグラの振付で、6年半ぶりとなる日本でのパフォーマンスを披露することになるが「自信を持っておすすめできる企画になっています」と力強く語った。
また、ダンスという身体表現と落語という言語表現のコラボレーションとして、小林の実弟である柳家花緑を迎え、ロマンチック・バレエの「ジゼル」を江戸時代に置き換えた「おさよ(落語版ジゼル)」柳家花緑×東京シティ・バレエ団も上演される。別の日には花緑の独演会も行われるが、こちらには小林も参加して対談が行われる予定。この日の会見には花緑も出席し「(小林と花緑の)祖父である柳家小さんについても身内として語りたい」と構想を明かした。
開催に向けて、いまだ予断を許さない状況が続くが、小林は、フランスで経験した厳しいロックダウンや、それに疲弊した人々による暴力行為などの社会問題にも触れつつ、コロナ禍における今回の「Dance Dance Dance」について「見ていただくお客さまはもちろん、アーティストを救う場になるのではないかと思っている」とその意義を訴えた。
「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2021」は8月28日(土)から10月17日(日)まで開催。
取材・文:黒豆直樹
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