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博多華丸と作・演出家G2が3度目のタッグを組み贈る“ミュージカルとは一味違う新たなエンターテインメント”とは? 和太鼓、タップダンス、ジャズがジャンルを超えてひとつになった新感覚ミュージカル『羽世保スウィングボーイズ』の見どころをぎゅっとリポート。
冒頭の和太鼓演奏で、余裕のバチさばきを見せる華丸の雄姿に「ほぉ〜!」。今回の博多座で通算共演100公演目を迎えるという斉藤優との軽妙な掛け合いから物語は始まる。ふたりは九州のとある港湾都市の造船所・羽世保造船の和太鼓部メンバー。造船所にはタップダンス部もあり、それぞれの部は、羽世保市の大会出場を目指して、練習に励んでいる。優秀な溶接工でもある、太鼓部リーダー五代剛(博多華丸)は、男手一つでふたりの子供を育てるシングルファーザー。そんななか、経営危機に陥った造船所の吸収合併計画が明るみになり…。今回は、陽気で熱いだけではない主役を繊細に演じる、役者・華丸の姿も新鮮だ。
ジャズバー「カメリア」でのステージは見どころのひとつ。「カメリア」は小春坂すみれ(椿 鬼奴)がママを務めるバーだが、昼間は探偵社という顔も持つ。五代の元妻でジャズシンガー、今は羽世保市長でもある桐野亜沙子(大空ゆうひ)と五代が再会する場所でもある。1幕のクライマックスは、「タップダンスは世界一の打楽器だ」と言うある初老の男性(坂本あきら)の提案で、和太鼓部とタップダンス部が、パフォーマンスバトルを繰り広げる。ここで語られる「黒人たちが生んだ魂の叫び」というタップのルーツにもぐっとくるものがある。
また、華丸も「大好き」という2幕の見せ場は、亜沙子の歌とともに紡がれるシークエンス。五代と家族のドラマ、工員たちの人間模様、会社の吸収合併の裏に潜む策略、丸本(斉藤優)と美咲(南沢奈央)の恋の行方などが、立体的な舞台空間ならではの演出で重層的に展開し、視覚的にもドラマティックだ。華丸が昨年10月からコツコツ練習してきたタップダンスも、カーテンコールでしっかり披露。ミュージック、パフォーマンス、ヒューマンドラマが混然一体となった舞台の興奮と感動に、終始引き込まれた。
福岡公演の後には、初の大阪公演も控えている。華丸は「大阪で上演できるなんて、恐れ多い」と恐縮しつつも「日に日に完成度が高まり、何度見ても楽しめる舞台。一度ご覧になった方も二度、三度、そして、大阪の皆様もぜひ劇場へ足をお運びください!」と公演への意気込みを語った。
『羽世保スウィングボーイズ』は7月27日(火)まで、福岡・博多座にて上演中。8月28日(土)・29日(日)、大阪・新歌舞伎座にて。チケットは共に発売中。
取材・文:大迫章代
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