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イギリスで大ヒットし、ウエストエンドでロングラン上演を続けるミュージカル『ジェイミー』が日本に初上陸する。実話を元に、ドラァグクイーンになることを夢見るゲイの高校生ジェイミーが、さまざまな問題や困難を乗り越えていく姿をポップミュージックで綴る。ジェイミーをダブルキャストで演じる森崎ウィンに話を聞いた。
現在、舞台の稽古真っただ中。「演出を手掛けるジェフリー・ペイジさんは、ジェイミーがゲイだからこうして、というのはまったくないんです。あくまでも一人の人間としての描き方で、型にはめない。『僕は指揮者だから、指揮者はバイオリニストに弾き方は教えない。持ってきたものに対して全体のバランスをとるから』と。僕もプロとして彼に提示できるものをすべて持っていきたいです」と気を引き締める。
ジェイミーはイギリスの公営住宅に母親と住み、子どものころから母親の服を着、靴を履いて遊んでいた。父親は家を出て行ってしまったが、母親から真っ赤なハイヒールをプレゼントされたことをきっかけに、夢に向かって突き進むことを決心する。ミュージカルの元となったジェイミーの姿は、英BBCのドキュメンタリー番組で放映され、森崎はその本人と対談する機会があった。「ジェイミーはいろんなエピソードを笑って話してくれましたが、いじめられていたこともあり、相当傷ついてきたんだなと目を見ていたら想像がつきました。僕は自分なりのジェイミーを作りますが、彼から得たものを化学反応として気持ちで発せられたらと思います」。
ほかにも届けたい思いがある。「恐怖心を解いて、自分らしく自由になること。ジェイミーご本人も『何でもいいのよ、どんな服でも自分が自信をもって着れば、すごく素晴らしくなるから』と言っていました。観客が自分らしくいられる、背中を押すような作品にしたいです」。
映画やドラマでも活躍中の森崎。2018年公開のスティーブン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』では、オーディションを勝ち抜きハリウッドデビューを果たした。「この世界にいていいんだと言われた気がした。向いているのかなと悩むより、まずは努力しよう」と考えるようになったという。大きいミュージカルは今作で2本目だが、来年は『ピピン』の主演にも抜擢され、大役が続く。「いつか海外公演もやりたいですし、ブロードウェイにも立ってみたいですね、人生一度きりですから。早く自由に行動できる社会に戻ってほしいですが、ジェフリーは『コロナは言い訳。それでもできることはある』と。まずは『ジェイミー』の日本初演で、こんなにいい作品を作ったんだと自分たちを認め合えるカンパニーにして、自信を持ってみなさんに届けたいです」。
公演は8月8日(日)から29日(日)まで東京建物Brillia HALL、9月4日(土)から12日(日)まで大阪・新歌舞伎座、9月25日(土)・26日(日)愛知県芸術劇場 大ホールにて。チケット発売中。
取材・文:米満ゆう子
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