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朗読と日本舞踊のコラボレーションという、新しい形のエンターテインメントが誕生する。第1弾のテーマはお七の物語。禁じられた恋の相手に会いたい一心で、16歳のお七は江戸の町に火をつけた…。朗読でお七を演じる大空ゆうひと、日本舞踊で表す花柳幸舞音が、作品の魅力を語り合った。
大空 : 「ロミオとジュリエット」を思わせる、許されぬ中での一途な恋に共感できるのはもちろん、要所要所に出てくる火の情景が印象的ですね。お七の気持ちと相まって、恋心をメラメラと燃やしているよう。
花柳 : お七の物語は日本舞踊の定番で、私もお七の実年齢に近い年頃で清元の「幻お七」を踊ったことがあります。その時、駒込にあるお七の比翼塚(心中した男女の墓)にお参りに行ったことを覚えています。
大空 : 恋を知らなかった少女が、吉三郎との恋愛を経て、強く芯の通った女になっていく。この物語はお七の成長する様がとても魅力ですね。
花柳 : はい。お奉行は放火の罪を犯したお七をどうにか救済しようとしますが、彼女はそれを断り江戸市中を3日間引き回されることになります。その際、お七は綺麗な着物を着て、前を向いて堂々と歩いた、その姿がとても美しかったとか。まっすぐな思いが切ないです。
大空 : この物語が朗読と日本舞踊でどう立ち上がるのか、とても楽しみです。相手役の吉三郎は日替わりなので、私はその変化も楽しみたいです。日本舞踊は型がある分、より熱い感情を表現できる気がします。お七の押さえつけられた、けれども燃え上がる恋心と重なる部分もあるのでは?
花柳 : そうですね。私は型を基本としながら、必ず心重視で踊るようにしています。日本舞踊は扇一本で無いものを有るように見せることが出来ます。また踊りを通して心の温度をお客様に伝えたいです。そのためには時代背景を調べたり、現地を訪れるなどのリサーチは欠かしません。
大空 : それは演劇も同じです。今回、朗読と舞踊が調和して、より想像しやすいエンターテインメントになるでしょう。皆さまの心に火をつけて、燃え上がり、ドキドキする気持ちを感じていただけたら。ぜひ、いろんな世代の方に見ていただきたいです。
花柳 : 大空さんたちが語ってくださることで見えてくる人物像や世界観が楽しみです。現代人は理性や理論で動きがちですが、根本は心に支配されている。観客の皆様にそんなことを思い出していただけるといいですね。
公演は9/10(金)〜9/12(日)よみうり大手町ホールにて上演。チケットは発売中。
取材・文/三浦真紀
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