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「薔薇と海賊」を霧矢大夢、多和田任益ら豪華キャストで上演
2021年10月15日 19時00分 [演劇]

大河内直子が演出を務める三島由紀夫原作の舞台、unrato#8「薔薇と海賊」が2022年3月に東京芸術劇場シアターウエストにて上演されることが決定した。

「薔薇と海賊」は虚実の夢と純愛が詰め込まれた異色のファンタジー。1958年に発表され、同年に文学座が初演した。三島由紀夫自身がこの舞台を、涙を流しつつ観ていたという逸話も残されている。

舞台となるのは、童話作家の楓阿里子邸。そこに、阿里子の童話のファンで30歳の松山帝一が訪ねてくる。自分を童話の中の主人公・ユーカリ少年だと信じている知的障害の青年で、後見人の額間に付き添われてやってきた帝一。楓邸は童話の世界のように仕立てられ、阿里子は19歳の娘・千恵子にも登場人物のニッケル姫の扮装をさせていた。帝一はこの家にずっと住みたいと言い出し、阿里子と帝一の夢の世界のような純愛が始まる。一方、額間と出会い、押し込めてした本音があふれ出て来る千恵子。帝一の登場で、阿里子の夫の重政、その弟の重巳との館での生活にもひずみが生まれていく。

三島由紀夫は本作について、「世界が虚妄だ、といふのは一つの観点であつて、世界は薔薇だ、と言ひ直すことだつてできる。しかしこんな言ひ直しはなかなか通じない。目に見える薔薇といふ花があり、それがどこの庭にも咲き、誰もよく見てゐるのに、それでも『世界は薔薇だ』といへば、キチガヒだと思はれ、『世界は虚妄だ』といへば、すらすら受け入れられて、あまつさへ哲学者としての尊敬すら受ける。こいつは全く不合理だ。虚妄なんて花はどこにも咲いてやしない。(略)」と記した。

出演者には、霧矢大夢、多和田任益、田村芽実、須賀貴匡、鈴木裕樹、大石継太、飯田邦博、羽子田洋子、篠原初実、松平春香といった実力派俳優が集結。

2022年3月4日(金)〜13日(日)まで東京公演を行なった後、2022年3月25日(金)・26日(土)に茨木クリエイトセンターにて大阪公演が実施される。

unrato#8『薔薇と海賊』
作:三島由紀夫 演出:大河内直子
東京公演:東京芸術劇場シアターウエスト
2022年3月4日(金)〜13日(日)
大阪公演:茨木クリエイトセンター
2022年3月25日(金)・26日(土)

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