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舞台版『千と千尋の神隠し』が帝国劇場で上演中だ。原作は、言わずと知れた宮崎駿監督によるアニメーション映画の最高傑作で、『レ・ミゼラブル』の世界初演の潤色・演出を担うなどしてきたジョン・ケアードが翻案と演出を手掛け、今回が世界初演となる。開幕直後の3月3日(木)、千尋役の橋本環奈、上白石萌音、湯婆婆/銭婆役の夏木マリ、朴路美(いずれもWキャスト)らが開幕にあたっての思いを語った。
会見時、一足先に初日を迎えた橋本は「無事に幕をあげることができたので、最後まで必死に千尋として生きていって、走り抜けたい。これからどんどん全体を通して成長できたらいいなと思っております」と話し、一方、まだ初日を迎えていなかった上白石は「このご時世に予定されていた日に初日が迎えられること、本当に嬉しくありがたく思っています。こんな時期に劇場に足を運んでくださる方々の気持ちに応えられるよう、日々楽しく丁寧にやっていきたいです」などと話していた。
夏木は「幕は開きましたけど、ジョン・ケアードは決して諦めないので、日々ブラッシュアップして、毎日毎日いいものになっていくと思います。お客様も皆様いろいろご配慮くださっているようで、本当に感謝しかない。初日を迎えられることが信じられないような気持ちですが、頑張っていきます」と意気込み、朴も「改めて感じているのは、コロナ禍でのものづくりの大変さ。みんなで努力をしてきて、今この場に立っています。スタッフ、キャスト一同、熱いハートをもって、ものづくりに本当に真摯な人たちに囲まれた幸せな現場。心を一つにして、湯屋一同心を揃えて、みなさんをお迎えできるように日々頑張っていきたいです」。
スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが本舞台を観劇したといい、「お世辞なしに本当に面白かったです!とにかくジョンの演出とキャストのみなさんが素晴らしくて、原作へのリスペクトが感じられて嬉しかったです。印象的なシーンを言い出したらきりがありませんが、キャストが大勢出てくるシーンはどのシーンも気持ちが高揚しました。映画の公開から20年が経っていることを考えると、キャストの方々の中には、当時まだ生まれたばかりだった方もいて、幼い頃に映画『千と千尋の神隠し』をご覧になっている方もいる。その経験が舞台の迫力につながっているような気がして、感慨深いです」などとコメントを寄せた。
それに対して、橋本は「これだけお褒めの言葉をいただけるのは、本当に嬉しい」と語り、上白石は「映画を何度見たか分かりませんし、フィルムコミックや絵にずっと励まされ、お手本にしながら、稽古を進めてきました。作品の素晴らしさに支えられて、助けられることもあれば、やっぱりその素晴らしさを壁に感じることもあって。鈴木さんにそういっていただけて、ホッとしています」と涙ぐんだ。
東京公演は3月29日まで。
取材・文・撮影:五月女菜穂
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