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東京で18万人以上を動員した話題の展覧会『バンクシーって誰?展』が、4月23日(土)からグランフロント大阪にて開催され、多くの来場者で賑わっている。バンクシーはイギリスを拠点に、ニューヨーク、中東などで、街中の壁や橋などに風刺の効いた作品を描く正体不明のストリート・アーティスト。2018年、オークション会場で少女と赤い風船を描いた作品が高額落札された途端、シュレッダーで突如裁断されたことでも話題になったが、創作活動の全貌や動機など真相が分かるものは少なく、その存在はいまだに謎に包まれている。
今回の展覧会は、日本テレビの美術製作チームが映画やドラマのセットづくりの職人を集め、世界で描かれたバンクシーの代表作を周辺の街並みとともに実物大でリアルに再現。入場者は「なぜそこにその作品が描かれたのか」という作品の意図を含めて疑似体験できる。再現された14シーンのほか、アート作品として制作された個人所有の貴重な作品も53点展示されており、一部をのぞいてほぼすべての展示が撮影可能なのもこの展覧会の特徴だ。
エントランスを過ぎると、今回の展覧会のメインビジュアルにも採用されている、パレスチナの紛争地帯のガソリンスタンドの壁に描かれた、火炎瓶の代わりに花束を投げる抗議者風の人物の作品が。高さ5mの作品は、写真では伝わらない実物大ならではの迫力と、作品が訴える強いメッセージ性を感じることができる。同様にほかの展示も作品部分だけでなく、作品周りの草花や環境、細かい風景まで含めて再現されているからこそ、その意図が分かる作品も多く、とても見応えのある内容となっている。
より詳しく作品の背景などを知るには、展示室入口で同展アンバサダーの俳優・中村倫也さんの音声ガイド(600円)の解説を聞きながら回るのがおすすめ。また、出口前のグッズ売り場では「展覧会カタログ」(1650円)をはじめ、作品をモチーフにした小物や会場でしか買えない限定グッズも30種類以上揃う。また会場隣のカフェ「CAFE Lab.」では、開催期間中バンクシー作品にちなんだコラボメニューが楽しめるのもこの機会ならでは。
まるで作品が描かれたその場にいるように、バンクシーが描くストリート・アートの世界に浸れる『バンクシーって誰?展』は、6月12日(日)まで開催。
取材・文・撮影:滝野利喜雄
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