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2018年初演の日本キャスト版『メリー・ポピンズ』が新キャストを迎え待望の再演。初演同様、煙突掃除屋のバートを務めるのがダンサーで俳優の大貫勇輔(ダブルキャストは初役の小野田龍之介)。続投の知らせに大貫は「4年間で学んだことをプラスできる。ワクワクした気持ちが溢れてきました」と合同取材会で意気込みを語った。
舞台は1910年のロンドン。不思議な力を持つメリーが、子守が居つかないバンクス家に現れたことで騒動が巻き起こる。同名の児童文学が原作の愛と魔法に溢れたミュージカルだ。原作を映画化しアカデミー賞5部門を受賞したディズニーと『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』を手掛けるキャメロン・マッキントッシュがタッグを組み舞台化した。
初演時、長期にわたるオーディションでバート役を射止めた大貫。実家のダンススタジオで10代の頃から講師を務めていた経験から「教室で子どもたちに伝える感覚とバートがバンクス家の子どもたちと接する感覚が近くて。本能的にバートはハマり役という感覚があった」。初演時、「初日の幕が上がった時、人生で初めて泣きそうになりました」と語る。
初演から4年を経た今「選択肢が増えた」と自信をのぞかせる。弱点に感じていた歌唱はミュージカル『王家の紋章』のイズミル役で鍛えられた。憧れのシルヴェスター・リーヴァイの楽曲を前にダンスを封印、猛特訓の甲斐あり高音への苦手意識が薄まった。続くミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』では初のミュージカル作品での座長に大抜擢。約1年半かけて身体を作り込むと、コロナ禍にも公演を成功へ導いた経験が血肉となった。
本作ではバートとしてメリーへの特別な想いを抱きつつ、バンクス家を良くしようと奔走する。「てんてこ舞いだった初演に比べ、再演の舞台ではちょっとした台詞が胸に突き刺さる」と一段深い視点から役作りに挑んでいる。メリー役は濱田めぐみ、笹本玲奈のダブルキャスト。「濱田メリーは隙の無いミス・パーフェクト。尊敬の思いが強いので子犬みたいに撫でてほしいという意識になる。笹本メリーはもう少し人間味があって、尊敬より恋心が大きい。だからかっこつけたくなっちゃう」と。ぜひ見比べてほしい。
『チム・チム・チェリー』など耳馴染みのある楽曲、圧巻のダンスシーン、随所に盛り込まれた“魔法”の数々など見どころ満載の本作。「メリーが客席に飛んでいく場面では何度見ても泣けちゃうし、本当に魔法に思えてくる。トリックアートのようなセットや照明も美しく、そこに普遍的な家族の愛のテーマが描かれる。総合芸術として完成されたミュージカルです」と笑顔いっぱいに語った。
大阪公演は5月20日(金)から6月6日(月)まで、梅田芸術劇場メインホールにて。チケット発売中。
取材・文:石橋法子
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