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過去最大規模の全国ツアー『LIVE TOUR 2022 -ROUTE 36-』を開催している山崎育三郎。6月23日(木)にはロームシアター京都 メインホールでコンサートを行う。公演に向けて思いを聞いた。
『-ROUTE 36-』という題名にしたのは、36年間の自身の人生を振り返る演出にしたからだという。前半は、6歳で出会ったミュージカル『アニー』の楽曲のほか、12歳でミュージカルデビューした『フラワー』、子どものころから憧れ、夢が叶い出演した『レ・ミゼラブル』『エリザベート』『ミス・サイゴン』『モーツァルト!』などのナンバーを披露する。
面白いのは、山崎自身の物語を人形劇俳優の平常(たいらじょう)が表現することだ。「手作りの人形で大人向けの芝居をたったひとりで演じていて、初めて彼を見た時は、新しいエンタメだとその才能に驚かされました。今回、僕からオファーして一緒に台本を作ったんです」。制作された人形で平が山崎をはじめいろんな人物を演じるそうで、「ひとりで何役もする落語家をイメージしてもらえたら。僕自身が僕を演じるとトゥーマッチで表現がひとつになってしまう。お客さまに想像する隙間を与えたいんです」。
後半は、山崎が出演したNHK連続テレビ小説『エール』で出会った楽曲のメドレーや、自身のオリジナル曲などを披露。「ミュージカルの楽曲は、完全に役として歌いますが、オリジナル曲は等身大の自分自身を乗せたいです。昭和歌謡のほか、童謡やロック、ポップスと幅広いジャンルの曲を歌うので“一人紅白歌合戦”のようになります(笑)」。また、今回のツアーのために自身が作詞した『煌めく星』や、ファンへの感謝の思いを込めた『On your side』も登場する。
デビューして24年。この世界にいることを仕事だと思ったことは一回もないと言う。「自分が本当に好きでやっているだけ」とあくまで朗らか。7年前には映像の世界にも飛び込み、テレビでMCを務めるなど大忙しの日々だ。「テレビの世界はやめておけと言う人が多かったのですが、怖いところに行かないと成長できないし、やめろと言われたら、やりたくなるんです(笑)」。その成果もあり、今ではすっかりお茶の間の人気者に。「ミュージカルをいろんな人に知ってもらう自分の役割は叶ったと思います。これから一番大事なことは、自分が今どんなパフォーマンスをするかということ。別にネガティブな発想ではなく、昔から、明日どうなるかわからないという感覚がずっとあるから、それなら今日、この瞬間を全力でやろうと。それが次につながっていく日々だと思うんです」。山崎の紡ぐ物語と“今”に耳を傾けてほしい。
取材・文:米満ゆう子
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