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映画化もされた、吉田修一の傑作小説『パレード』。ルームシェアをする5人の若者の姿を描く中で、通り魔事件なども絡み、彼らが隠していた本心や過去が露わになっていく物語だ。この小説が5人芝居として舞台化される。相馬未来役の矢島舞美と、大垣内琴美役・STU48の石田千穂に話を聞いた。
取材日が初対面という二人。お互いの印象は「ふわっとした可愛らしい方。琴美ちゃんも女の子らしい子なので役にもハマりそう」(矢島)、「前髪を流している未来さんのお写真がとてもカッコ良くて、勝手にクールなイメージを抱いていたのですが、実際にお話すると笑顔が素敵で、こちらを安心させてくださる雰囲気の方」(石田)と話す。
少し緊張気味の石田は、グループ外の舞台に参加するのは初めてだ。「先日、8thシングル『花は誰のもの?』でドラマミュージックビデオを撮影し、初めて映像の演技を経験しました。難しかったのですが楽しかった。アイドルを5年間やってきて、ダンスや歌は最初の頃と比べると難しいと感じることが減ってきた中で、難しいと思える新しい経験をできるのは幸せなこと。そんなところに今回のお話をいただき、ぜひやってみたいなと思いました」と、挑戦を決めた理由を語る。
その話を聞いて矢島も「その気持ち、わかります」と言う。℃-uteのメンバーだった矢島、現在STU48に所属する石田と、女性グループに所属し、そこから女優として飛び出していくという経緯は共通している。「私もグループのメンバーとの舞台を経験し、お芝居って楽しい、続けていきたいと思って演劇の世界に入っていったんです。難しくて帰り道に泣いてしまうようなこともありましたが、がむしゃらに続けていくと「これはこういうことなのかな」とパッとわかる瞬間がすごく楽しくなったり、素敵な経験がたくさんできました。外部での初めての舞台の千秋楽の光景は、一生忘れられない思い出です。きっと千穂ちゃんもそういう経験になると思います」と優しくエールを送る。
物語に関しては「みんなで楽しくしていてもどこか寂しかったり、若者が抱えている表に出さない心が繊細に描かれている作品」(矢島)、「明るくふるまっていても心の底には闇があって、しかもそれを気付かれていないと思っていても誰かが知っていたりする。ちょっと怖いですが、現実でもありうる話です」(石田)と、現在感じている魅力を語った。
なお、積極的に「千穂ちゃん、千穂ちゃん」と話しかける矢島に対し、「何とお呼びすれば……」と迷う石田。「“やじー”とか“やじちゃん”と呼ばれたりするかな」という返答を受け、「やじちゃん……とお呼びしたいです!」。微笑ましい第一歩を踏み出した二人がどんなルームメイトになっていくのかも、楽しみだ。公演は7月16日(土)から24日(日)にかけ、東京・新国立劇場 小劇場で上演される。チケットは発売中。
取材・文:平野祥恵
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