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サングラスに黒スーツ姿、モヒカン刈りの髪をトレードマークに、独自のパントマイム・パフォーマンスで世界的に活躍した2人組“が〜まるちょば”。20年の活動に終止符を打ち、赤モヒカンのケッチは再びソロに転向、ヨーロッパを拠点に即興演劇やクラウニングを学び直した。日本でソロ活動を本格スタートさせた2021年11月、第1弾としてフィジカルコメディと銘打った舞台『ケッチスケッチ』を兵庫県立芸術文化センターで上演。今回は再演とは言え、コロナ規制も少し緩み、ブラッシュアップした本領発揮の舞台となる。ソロ初の海外ツアーから戻って来阪、今回の舞台へ意気込みを語った。
前回の舞台では終演後に拍手が鳴りやまず、緞帳が再び上がって観客に言葉で思いを伝えた。「その暖かい拍手に、受け入れていただけたんだと、とてもうれしかった。自信にもなりました」。演目は“が〜まるちょば”時代から有名な、空中で固定するカバンやエスカレーターのパントマイムに、ジャグリングやマジック、またケッチとペットの日常をパントマイムやクラウニングの技術を盛り込んで描く笑いと感動の物語も。セリフはないが、優しい暖かさに包まれるような舞台だった。が、実は前回はコロナ規制で観客と絡むことができず、「両手両足を縛られてやるぐらいのもどかしさがありました」とケッチ。“が〜まるちょば”の前は「大道芸で身を立てていたので、お客さんと絡むのは大得意。今回はお客さんとかけがえのないアドリブの時間を散りばめられるし、ソロ初の海外ツアーでも発見があったので、再演ですが前回とは違った印象でさらにおもしろくなると思います」と話す。舞台上ではマスク、手指消毒、距離を取るなどのコロナ・マナーを守って観客と絡む。この劇場では独自に全ホールの舞台や客席、楽屋などで気流実験を行う感染対策を実施、安心安全な鑑賞への意識が高い。
『ケッチスケッチ』は4歳から観劇可能で、上演時間も約85分。親子連れが行きやすい。「でも、子ども向けにはしていないです。あわよくば大人の中にある子どもの部分を少し刺激して、思い出してもらえれば。子どもが喜ぶ姿を見て親はうれしいし、笑っている親を見て子どももうれしい。親子三世代で観られるものはなかなかないですからね」。また、17時半の公演終了後にはパントマイムのミニ講座をロビーで開催、パントマイム講座付チケットも発売中だ。人気ネタの“空中で動かなくなるカバン”をメインに約20分。「お客さんの反応を得て僕も変わっていく。僕と一緒に遊ぼ! みたいな感じで来ていただけたらと思います」。
公演は7月16日(土)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて。チケット発売中。
取材・文:高橋晴代
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