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『ワンダフルライフ』『誰も知らない』『歩いても　歩いても』と、国内外で高く評価される是枝裕和監督の最新作『空気人形』が今秋、公開されることが発表された。

本作は、これまでオリジナル脚本のみを扱ってきた是枝監督にとって初の原作ありきとなる作品。原作は、『自虐の詩』の業田良家の短編漫画『ゴーダ哲学堂　空気人形』。この原作に出会った2000年から9年間温めてきた今回のプロジェクトは、ぺ・ドゥナ演じる空気人形を中心に、ARATA、板尾創路ら演じるさまざまな人との出会いや別れ、愛すること、触れ合っていくことを描いている。

空気人形を演じるのは、『リンダ　リンダ　リンダ』に出演し、日本でもファンの多いぺ・ドゥナ。“空気人形”という難役を演じることについて、「空気人形は、まるで生まれたばかりの赤ちゃんのように透明で、きれいで、汚れのない心を持っています。この世を生きながら、人々に触れながら、その心を受け取っていくことの表現に重点を置いています」とコメントしている。

「『空気人形』という存在を通して、人と人がつながる形をとりたい。その“つながり”という関係の中で、人は成長（変化）していく。そこに生の本質がある。作品の奥底にあるのは、人は自らの空虚感をどのように埋められるのか？　生きるとはどういうことか？　人間とはなにか？　といった本質的な問い」と語る是枝監督。これまでも、『ワンダフルライフ』で“人にとって、思い出とはなにか”を描き、『DISTANCE』で人の心の距離を描いてきた監督が、本作で現代社会に問いかけるものとは？　監督が描く人間観とは？　公開を楽しみに待ちたい。

『空気人形』
今秋、シネマライズほか全国にて公開