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昨夏、フランス政府が総力を上げてパリで開催、熱い注目を集めた「LASCAUX INTERNATIONAL EXHIBITION(ラスコー展)」が、ついに日本にやってくる。しかも今回催される「世界遺産 ラスコー展〜クロマニョン人が残した洞窟壁画〜」は、世界巡回中の内容に日本独自のコンテンツを加えた特別展。東京・国立科学博物館(11月1日(火)〜2017年2月19日(日))の後、宮城・東北歴史博物館(2017年3月25日(土)〜5月28日(日))、福岡・九州国立博物館(同7月11日(火)〜9月3日(日))と、約1年をかけて日本を巡る予定だ。その記者発表会が6月13日、東京の会場となる国立科学博物館で行われた。
「ラスコーの洞窟壁画」は、約2万年前にクロマニョン人によって描かれた壁画のなかでも、ずば抜けて鮮やかな彩色画で知られる。フランス南西部・ヴェゼール渓谷にあるこの壁画が、地元の少年らによって発見されたのは1940年のこと。たちまち見学者が押し寄せて状態が悪化したために、残念ながら現在では見学禁止となっているが、洞窟そばに設置された実物大のレプリカは、今もフランスで人気のスポットだ。本展ではそれをさらに1ミリ以下の精度で再現、“世界の芸術の起源”とも言われるラスコー洞窟の内部を体感できる仕掛けだ。さらにクロマニョン人が残した彫刻や道具など、選りすぐりの実物資料も併せて展示。2万年前の人類の暮らしぶりがひと目でわかる内容となっている。
会見では、同博物館・人類史研究グループ長で本展の監修者でもある海部陽介氏が、「夢に描いていた展覧会」とその内容を表現。フランス国立考古学博物館の全面協力のもと展示される実物資料は、トナカイの角で作られた彫刻「体をなめるバイソン」や、壁画を描く際に使われたとされる「ラスコーのランプ」など、「"国宝級"の品ばかり」(同氏)。「借りられること自体が驚き」と海部氏が言うほどの逸品ぞろいで、その他、"ヴィーナス"と呼ばれる小立像や、ネコ科の動物をモチーフにした投槍器など、どれも日本初公開となる。
その後、本展協力者である五十嵐ジャンヌ氏(東京芸術大学講師)や佐野勝宏氏(東京大学総合研究博物館特任助教)、佐藤宏之氏(東京大学教授・日本旧石器学会会長)も登壇。「石器の製作技術の進化を感じ取れるような展示」(佐野氏)、「同時代の日本の旧石器時代も紹介したい」(佐藤氏)と、それぞれに見どころを語った。会見用に展示された資料のレプリカを間近で確認すると、上記の「〜バイソン」は12、3センチほど、また投槍器は10センチほどの大きさ。てのひらに収まるサイズに刻まれた、その繊細な彫刻に驚かされる。「当時の高い技術力と共に、豊かな人間性も感じてほしい」という五十嵐氏の言葉に、本展への期待がいっそう高まった。お得な早割ペア券は7/1(金)よりチケットぴあにて販売。
取材・文 佐藤さくら
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