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ふだん美術に興味がない人でも、モネやルノワール、セザンヌ、マネ、ファン・ゴッホなどの名前は聞いたことがあるだろう。加えてドガ、ゴーギャン、ピカソといった“超スター級”の画家の作品が集結する夢のような展覧会が、この『至上の印象派展 ビュールレ・コレクション』だ。スイスの実業家エミール=ゲオルク・ビュールレ(1890〜1956年)が収集した、世界有数のプライベート・コレクション。まとまって来日するのは実に27年ぶりのことで、2020年にはチューリヒ美術館に移管されることが決まっていることから、その全貌を日本で見られるのは、これが最後のチャンスとなる。その記者発表会が7月12日、東京の会場となる六本木の国立新美術館で行われた。
会見では、在日スイス大使館公使のピーター・ネルソン氏が「スイスにとっても重要なコレクション」と、本展の内容が国家レベルであることに言及。続いてE.G.ビュールレ・コレクション財団館長のルーカス・グルーア氏が登壇し、門外不出といわれてきたモネの《睡蓮の池、緑の反映》が日本初公開となることが明かされた。同作品はモネが描いた一連の睡蓮作品のなかでも、高さ2メートル、幅約4メートルもの大きさを誇る大作。モネの死後、アトリエに保管されていたものを、ビュールレが自分の目で見て購入を決めた作品で、モネの最高傑作のひとつと言われている。
その後、国立新美術館主任研究員である山田由佳子氏が、本展の構成を解説。テーマごとに分けられた各セクションの中でも、同コレクションの中核を成す印象派とポスト印象派の作品を展示するチャプター4から7は、美術ファン垂涎の傑作が並んでいる。
「背景の深緑の茂みがあどけない少女の表情を浮き立たせている」(山田氏)ルノワールの《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》。近代美術の金字塔といわれるセザンヌの《赤いチョッキの少年》や、マネが印象派への興味を深めていったことを示す《ベルビュの庭の隅》、のちの点描のような筆致がうかがえるモネの《ジヴェルニーのモネの庭》。さらにファン・ゴッホ、ゴーギャン、ピカソ……と、本展の見どころを語れば枚挙にいとまがない。
同展は東京・国立新美術館(2018年2月14日(水)〜5月7日(月))で開催後、九州国立博物館(同5月19日(土)〜7月16日(月・祝))、名古屋市美術館(同7月28日(土)〜9月24日(月・祝))でも開催の予定だ。繰り返すが、同コレクションの中から約60点もの傑作がそろって来日するのは正真正銘、これが最後。しかもその半数が日本初公開というのだから、この機会にぜひ目にしておくべきだろう。チケットぴあでは、東京開催分のペアチケットを10月12日(木)午前10時より発売。
取材・文 佐藤さくら
All images:(c)Foundation E.G. Buhrle Collection、Zurich (Switzerland) Photo: SIK-ISEA、Zurich (J.-P. Kuhn)
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