タレントweeker

大迫勇也の居場所は、やはり1トップだ。改めてそう思わせた日韓戦だった。

日本の絶対的なエースもドイツ・ブンデスリーガでは17試合に出場し無得点と苦しんでいる。ブレーメンで求められるポジションはインサイドハーフやシャドー、出場機会は減少の一途を辿っている。大迫は「自分はインサイドハーフの選手ではない。チーム(ブレーメン)が今やっているサッカーでは自分が輝くことは難しい。だからこそ、自分にチームが合わせてくれるように違うものを出していかない。日本では1トップでできるので、しっかり結果を出したい。この2試合が自分にとっても重要になる」と胸に誓って帰国した。

果たして3月25日、日産スタジアムで開催された韓国代表戦で大迫は前線で存在感を発揮。なかなかチャンスがなくシュートは2本にとどまるも、時にタメを作り、時にワンタッチで周りを生かしたのだ。そして2アシストをマークし、日本代表を3-0の勝利に導いたのだった。

17分、ボランチ守田英正のスルーパスが相手に引っかかり、浮き球のルーズボールになると、大迫は右SBの飛び出しを確認しながら後ろ回し蹴りのようなヒールパスで山根視来の代表デビュー弾をアシストした。27分にはカウンターのボールを収めるとキープし、2列目・鎌田大地のスプリントをうながし、ドリブルシュートをアシストした。

大迫は「1点目は素早い切り替えのところで周りが見えていたので。2点目は3人に囲まれていたので、しっかり時間を作るようにした。大地もしっかりスプリントしてくれたので」とゴールシーンを振り返った。

純粋にプレーする喜びも感じていた。大迫は「久しぶりに1トップでできたので何も考えずにできたと言うか、自分のプレーをそのまま出せた」と満足した色を見せつつ、「得点を取れればよかったけど、今日はチャンスメイクと言うか、起点を作るシーンが多かったので、仕方ないかなと。得点は次に狙いたい」と次戦を睨んだ。

次の相手・モンゴルは2019年10月に6-0で下した相手である。力の差は歴然、とにかく人数をかけて引いて守って来ることが予想されるが、大迫は「僕はそっちの方が得意なので心配してない。しっかりチームが勝てるように全力を尽くしたい」と余裕を伺わせた。

『FIFAワールドカップカタール2022アジア2次予選兼AFCアジアカップ中国2023予選』日本代表×モンゴル代表は3月30日(火)・フクダ電子アリーナにてキックオフ。無観客で行われる試合の模様はフジテレビ系列にて生中継。