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7月に初来日公演が控えるパリ国立オペラ。総裁ジェラール・モルティエを迎えての記者会見が2月13日に行われた。
2004年からパリ国立オペラ総裁を務めているモルティエは、1981年、弱冠38歳の若さで母国ベルギー・ブリュッセルの王立モネ劇場の総裁に就任。伝統にとらわれない斬新なプログラムなどを次々に打ち出し一躍脚光を浴びた。また、カラヤンの亡き後の1992年に就任したザルツブルク音楽祭の総監督時代には、ピーター・セラーズら気鋭の演出家、アーティストを大胆に起用。20世紀の作品を多く取り上げて若い聴衆を開拓することで音楽祭を活性化させ、“オペラ界の風雲児”の異名を獲得した。今回の初来日公演でも、“愛と欲望”というテーマを持った過激な4演目で日本の観衆の度肝を抜く。
まず、鬼才ピーター・セラーズの演出が光るのが「トリスタンとイゾルデ」。ビデオ・アーティスト、ビル・ヴィオラが6ヵ月の制作期間と、300万ドルの費用を費やした4時間のビデオ・アートを舞台中央で流しつづける。そこに登場する一糸まとわぬ姿の映像は生々しく、我々観衆の想像力を直接掻き立ててくれるはずだ。また、「アリアーヌと青ひげ」、「青ひげ公の城」では扉に閉ざされた部屋で男女の駆け引きが展開。「消えた男の日記」ではステージに空いた小さな穴の中で体を重ねるような艶かしい仕草で、男女の情念とでも言えるものをありありと描き出している。
「東西、過去現在に関わらず、劇場は重要なディスカッションの場です。人々はこの場所で多くのことを表現してきました。その中でもオペラは、体全体を使った演技、歌やオーケストラが響かせる音楽、そして舞台美術が融合しあって人間のエモーションを表現するものだと思っています」という言葉からも、「愛と欲望」を鮮やかに表現した4演目への強い自信が伺えた。
会見の終わりには「パリ国立オペラ 初来日公演」のコンシェルジュであるモデルの黒田知永子が登場。「昨年9月にパリで『アリアーヌと青ひげ』を観劇しました。初めてのオペラ体験でしたが、とても楽しく観ることができました。7月に行われる初来日公演も期待しています!」とにこやかに語った。
モルティエの信念が凝縮された「パリ国立オペラ 初来日公演」は7月19日(土)から21日(月・祝)まで兵庫県立芸術文化センターにて、23日(水)から31日(木)までは東京・オーチャードホールの2会場にて開催される。
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