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来年6月に開催される14年ぶりの来日公演「ロシア国立ボリショイ・オペラ」に先駆け、ボリショイ劇場総裁、アナトリー・イクサーノフによる記者発表が12月8日に行われた。
18世紀後半に起源をもち、ロシアの舞台芸術を牽引してきた名門ボリショイ劇場は、オーケストラ、合唱とバレエ団の総勢2300名を擁する巨大カンパニー。オペラの来日公演は1995年以来と長らく待ち望まれていただけに、ファン垂涎の舞台が期待される。「14年ぶりの日本公演だけに、上演作はプーシキン原作・チャイココフスキー作曲の傑作『スペードの女王』『エフゲニー・オネーギン』以外にないでしょう。ボリショイ劇場ではこれまでに『スペードの女王』を1200回、『エフゲニー・オネーギン』を2220回上演しています。つまり、この二大傑作は我々の代表作。全てロシア人歌手によるキャストで、日本の皆さんに自信をもってお届けしますよ」と語るイクサーノフ総裁。十八番の看板演目でボリショイ劇場の面目躍如の舞台となるに違いない。
来日公演で上演される『エフゲニー・オネーギン』は、演劇畑で活躍するドミトリイ・チェルニャコフの演出で、ボリショイ劇場06/07シーズンに初演されたもの。既に欧州の劇場で多数上演されており、今年9月のパリ・オペラ座シーズン開幕公演にも登場し、喝采を浴びたばかり。「パリでも高い評価を頂いた『エフゲニー・オネーギン』は、若く才能豊かなチェルニャコフが演出を手がけました。作品自体の魅力を十分に引き出しつつ、現代を生きる我々にも共感できるような演出が凝らしてあります。でも実際に観てもらう時の楽しみが減りますから、あまり詳しく語らないようにしましょう。ただ決して、タチアーナがオネーギンに恋文を綴るシーンが携帯メールに…なんてことはありませんのでご安心下さい」とユーモアも交えつつ、作品をしっかりアピール。また『スペードの女王』もロシア国内で成功を収めており、今後海外での上演が予定されている。
また昨今緊迫するロシア・グルジア間の問題についても言及し、「ボリショイ劇場には多くのグルジア人歌手やダンサーが専属で活躍していますし、また、かつてのボリショイ劇場のプリンシパル・ダンサーで、現在グルジア国立バレエ団芸術監督を務めるニーナ・アナニアシヴィリは12月28日のボリショイ劇場ガラ公演(ロシア本国開催)に出演します。国境や政治を越えた所で人々に喜びや感動を届けられるのがアーティストではないでしょうか」と舞台芸術にかける思いを真摯に語る一面も。
経済成長の影響で活性化するロシアの舞台芸術シーンの中、しっかりと手綱を握るイクサーノフ総裁の下で躍進を続けるボリショイ劇場。14年ぶりのオペラ来日公演のチケットは現在好評発売中。
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