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第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールでの日本人初優勝で、一躍時の人となった辻井伸行(20歳)が凱旋。6月10日に記者会見が都内で催された。生まれつき全盲というハンディを負いながら、天賦の才で神童として注目を集めてきたピアニスト辻井伸行。1998年に10歳でデビュー以降、国内外で演奏活動を展開し、2002年に佐渡裕指揮・ラムルー管弦楽団との共演でパリ・デビュー。2005年のショパン国際コンクールで批評家賞受賞など、将来が嘱望される演奏家として評価を高めてきた。
満を持して参加したヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール(※)で、辻井伸行は「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番」「ショパン:子守歌」ほか、新作の現代曲も演奏。全盲の演奏家は楽譜を全て暗譜しなければならない上に、オーケストラと共演する協奏曲では間合い、テンポの取り方でハンディが生じるが、彼はそれを全く感じさせない素晴らしい演奏で、見事1位を獲得。ヴァン・クライバーンも「奇跡としか言いようがない。神業だ」と絶賛した。
今回の記者会見で辻井伸行は、「メジャーなコンクールなので、本予選当初はナーバスになり、まずはセミ・ファイナルまで進むことだけを目標に頑張りました。でも以降は落ち着くことができ、ファイナルはお客さんに喜んで貰える演奏を心がけながら楽しんで弾きました。でも、まさか優勝できるとは思っていなかったので、とても感激しています」と喜びの表情を見せた。また「優勝は両親のサポートほか、僕を支えてくれた人たちのおかげ。とても感謝しています。それから応援してくれた友だちからもメールや祝報をたくさん貰っています。皆さんに早く会って、アメリカの土産話などをゆっくりしたいですね」と語った。
コンクール優勝には、賞金2万ドル、金メダル、銀製トロフィーに加え、3年に及ぶアメリカ内外でのツアー契約、レコーディング契約が用意されている。また今後の出演公演も続々完売、既発のアルバム『Debut』と『ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番』(avex-CLASSICS)もチャート上昇中と、まだまだ脚光を集めそうだ。
秋には全国ツアーを予定。東京・紀尾井ホール公演のチケットは6月13日(土)より発売開始される。
(※)ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール
アメリカを代表するピアニスト、ヴァン・クライバーンの第1回チャイコフスキー国際コンクール優勝を祝し1962年に創設。アメリカで最もメジャーなコンクールのひとつ。
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