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古楽界の巨匠として知られ、現在のクラシック音楽シーンに多大なる影響を与えてきた指揮者のニコラウス・アーノンクールがついに最後の来日。手兵ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスとの東京公演の最中、都内で記者会見を行った。
「ニコラウス・アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス」チケット情報
1929年生まれのオーストリア人指揮者ニコラウス・アーノンクールは、ウィーン交響楽団チェロ奏者としてキャリアをスタートさせた後、1953年にバイオリン奏者のアリス夫人らとともに古楽器オーケストラ、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスを結成。楽曲が作曲された当時の楽器や奏法を用いるピリオド・アプローチを開拓し、楽壇に大きなセンセーションを巻き起こした。「50年前には私たちのようなアンサンブルは存在しなかった」とアーノンクールが語るように、当時としては非常に斬新だった取り組みに批判が集中することもしばしば。だが、音楽の本質に挑み続けるアーノンクールらの活動は次第に保守派の批判を捻じ伏せていき、現在ではピリオド・アプローチは音楽シーンのトレンドと呼ばれるまでになった。アーノンクールと彼のオーケストラがいなければ、現在のクラシック音楽は全く違うものになっていたことだろう。
今冬に81歳となる巨匠は、今後の演奏活動はウィーン国内にほぼ限定するとのこと。最後の海外ツアーの地に日本を選んだことについて「26年ぶりの来日となった前回(2006年)の公演で、本当に素晴らしい経験を得ました。また日本の地に来ることが出来て嬉しい」と語るアーノンクール。公演プログラムは、アーノンクールたちにとって“最も重要な作曲家”というバッハ、ハイドン、モーツァルト。「バッハの『ロ短調ミサ』は、決して頻繁に演奏できるような作品ではなく、私たちにとっても特別な作品です。ハイドンの『天地創造』も同じく非常に重要な作品。世界の始まりについて書かれた大曲で、世界中どこででも通じるテーマの音楽です。そして最後のモーツァルト。『ハフナー』と『ポストホルン』は、どちらも惜別の曲。いわば日本の皆さんへの“さようなら”の印です」というように、巨匠の最後の海外公演を飾るに相応しい作品ばかりだ。
最後の来日となる巨匠ニコラウス・アーノンクールが率いるウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの東京公演は、10月26日(火)・29日(金)・30日(土)にサントリーホール、11月2日(火)・3日(水・祝)に東京オペラシティで開催。チケットは発売中。
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