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ミュージカル『オペラ座の怪人』でデビュー後、17年にわたり劇団四季のスターとして活躍してきた石丸幹二。退団後は歌手、俳優として活躍の場を広げ、2013年の出演ドラマ『半沢直樹』で人気が拡大。現在、テレビ番組『題名のない音楽会』6代目司会者としても親しまれている。昨年にはデビュー30周年を迎え、記念企画が目白押しだ。
昨年は軌跡をたどる『The Best』とデュエット集『Duets』の2枚のアルバムを発売。過去のアルバムからの選曲で、それぞれ新録音も1曲ずつ収録。『Duets』では石丸の歌声とデュエットできるカラオケ仕様の6曲も追加した。今年は6月2日(水)に劇団四季時代の映像特典付き、初の2枚組映像作品『石丸幹二 ORCHESTRA CONCERT 2016&ONLINE LIVE 2020』の発売が決定。続く4日(金)からスタートするのが、全国5都市を巡るデビュー30周年『石丸幹二 オーケストラコンサート2021』。会場ごとに多彩なゲストを迎え、初日の大阪公演には石丸が「歌声に惚れ込んだ」という演歌歌手の島津亜矢が登場する。
コンサートでは「観客の心に寄り添い、心の中で口ずさめるような」選曲にこだわったという石丸。『ふるさと』『あすという日が』といった耳馴染みのある楽曲から、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』より『真っ赤なスカーフ』、劇団四季時代から現在までの出演ミュージカルの代表曲など約17曲を予定。島津とのデュエット曲には『美女と野獣』を選んだ。「演歌ではない歌をオーケストラと共に歌ってもらったらきっと大きな花が咲くだろう」と期待を寄せる。
「短いようで長かった」と音楽と共に歩んだ30年を振り返る石丸。ベストアルバムのライナーノーツには楽曲に込めた思いや当時の心境を克明に記した。「一枚の写真と同じですね、まるでアルバムをめくるように一曲ごとにいろんなことが思い出されて。聴いてくださる方もご自身の記憶と重ね合わせて楽しんでいただけたら」。舞台人として鍛錬を積んだ劇団時代を経て、第2章と位置付けるその後の13年でとりわけ磨いてきたのが、歌手としての個性だ。退団直後の休暇中に聴いたアンリ・サルバドールのアルバムがひとつの転機となった。
「彼が80歳を過ぎてカムバックして出したアルバムで、囁くような唱法が新鮮でした。一生歌い続けるなら目指すのはこの唱法だなと。今までにないものを取り入れようとスタートしたのが第2章の始まりでした」。そんな“つぶやき唱法”はひとまずアルバム等でご堪能を。大劇場では変わらずオペラティックな歌唱で観客の心を満たし続ける。「総勢80名近いフルオーケストラとの共演はやっぱりゴージャスですよね。今回のツアーでは初めてご一緒する楽団もあり、人や音楽の輪が広がっていくのが楽しい。お客様もきっと会場に身を置くことで、歌声や音に包まれる心地よさを感じられると思います」。
公演は6月4日(金)、大阪のザ・シンフォニーホールを皮切りに、東京、愛知、広島、札幌を巡演。チケット発売中。
取材・文:石橋法子
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